笛から出る音波が神経の働きに作用し、頭で思っていることと真逆の行動を取らせるのが『コベアベ』というひみつ道具です。
見た目は完全に普通の笛で、音色もそこそこ。
知らない人が見てもただの笛にしか見えませんね。
思ったことと逆の行動をする
コベアベの音色を聞いている間、人は頭で考えていることと全く逆の行動を取るようになります。
例えば、のび太は部屋の片付けが出来てないことを理由にママからガミガミ怒られています。
そこでママに向かってコベアベを吹くと、今まで怒り狂っていたママは逆にのび太をほめちぎるようになります。
「よくお母さんの言うことを聞かなかったわね」
「お掃除なんかいいから早く遊びにいってきなさい」
普段のママからは決して出てこない言葉ばかり。
『怒る』と『褒める』は真逆の行動ですね。ママはコベアベの音波により、頭で考えていることと真逆の行動を取ってしまったわけです。
演奏者には影響なし
コベアベを演奏する人はコベアベの影響を受けません。
おそらく特殊なフィルターが演奏者の周りに作られ、コベアベから発生する音波を遮断する効果があるものと思われます。
演奏中のみ効果がある
音波で行動を制限するため、常にコベアベを吹き続ける必要があります。
コミックの中でのび太は、コベアベをしずかちゃんに見せようと家を訪問します。
ところが強盗がしずかちゃんの家に押し入っている現場に偶然遭遇してしまい、のび太はコベアベを使って強盗を警察まで連れていくわけです。
コベアベを吹いている間は強盗は素直におとなしくなりますが、笛にツバがたまって音が出なくなった途端、のび太に襲いかかるシーンが描かれています。
このことから、コベアベの音波を聴いた人は音波の影響が残っている間のみ行動が制限され、音波が遮断されると正常な状態に戻るということがわかります。
行動は意識下・無意識下の両方
コベアベの音色を聴くと、ほとんどの人は無意識のうちに真逆の行動を取ります。
しかしドラえもんは自分の体が意思に反して動いてしまうことに抵抗を示しています。
お風呂に入ろうとしたドラえもんにコベアベを聴かせるのび太。
お風呂に入りたい気持ちとは逆に、体が勝手にドブに向かって走り出す状況になったドラえもんは「わああ、やめろやめろ!」と抵抗を示しています。
ドラえもん1巻「コベアベ」P61:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄著
この差はどこからくるのか、作中では明確に解説されていませんが、その時に意識している意思の強さなどが影響しているのかもしれません。
コベアベがもし実現すると?
コベアベが実現すると画期的な発明になることは間違いありません。
なにせ行動を支配することができるようになるため、例えば大型スピーカーでコベアベの音色を増幅させ、戦争をしている地域に流すと争いをストップさせることができます。
音色が続く間だけ効果が持続するため、争いが収まっているスキを狙って武器を取り上げしまえば、それ以上戦うこともできなくなりますね。
笛の形状にこだわる必要もありません。
重要なのは音波だけなので、将来的にはボタンを押すだけでコベアベ音波が発生する道具に進化するかもしれません。
いずれにしても夢が膨らむひみつ道具ですね。