人形に振りかけると人形の心がわかるようになる『ココロコロン』。
捨てられていた人形の持ち主をさがすために使われたひみつ道具です。
かわいそうなお人形
しずかちゃんが見つけた汚れた人形。
きっと持ち主は心配しているという優しいしずかちゃんの心にうたれたのび太はドラえもんに頼みますが、冷たく一蹴されてしまいます。
ドラえもん20巻「ココロコロン」P155:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
冷たいドラえもんにも見えますが、このあと取り出したのは『ココロコロン』。
人形にふりかけると人形の心が表情に表れるようになり、持ち主の家に近づくにつれて嬉しそうな顔をします。
ところが持ち主は無残にも人形が汚くなったから捨てたと言い放ち、それを聞いて悲しむ人形のため一肌脱いだドラえもんのおかげもあり、もとの家に戻ることができた人形なのでした。
ドラえもん20巻「ココロコロン」P159:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
心をもつ人形
『ココロコロン』は人形がもつ心の声を表すためのひみつ道具です。
人工的に思い出を作っているのではなく、人形そのものが持つ心情を読み取っているわけです。
糸と綿でできている人形が心を持つというのは本来はありえないことかもしれませんが、そんな非常識を常識にしてしまうのがドラえもんのすごいところなのです。
やさしいしずかちゃん
もとはといえば、捨てられて犬がくわえた人形を助けようというしずかちゃんのやさしい行動がなければ、今回の話はありませんでした。
しずかちゃんも人形が大好きなので、汚れた人形を見て我慢できなかったのでしょう。
自分の布団で一緒に寝る様子も描かれているので、人形に対する愛情が伝わってきますね。
ドラえもん20巻「ココロコロン」P157:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
人形はなかなか捨てられない?
人形と長い期間いっしょにいると、いざ捨てようと思っても情がうつってしまいなかなか処分できません。
コミックに登場する人形の持ち主の女の子は無慈悲にも『捨てた』と言い放ちますが、そんなに簡単なことなのでしょうか?
ドラえもん20巻「ココロコロン」P157:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
見たところ、のび太たちよりも少し年上(小学校高学年?)の女の子にも見えますが、それぐらいの年齢になると人形遊びからも卒業する頃なのでしょう。
しかし、人形にとってみればこんなに悲しいことはないですよね。
長年連れ添った大切なご主人から『捨てた』という言葉を聞いてしまうとは・・・。