詩を吹き込むと、設定した曲のテンポにあわせて自動的に音楽を作成する『メロディーお玉』。
ジャイアンのようにシンガーソングライターを目指す人にとってはとても重宝するひみつ道具といえるでしょう。
未来のシンガーソングライタージャイアン
ジャイアンの夢は自分で作詞作曲をするシンガーソングライター。
ところがどうやっても曲のアイディアが出てこないのです。
ドラえもん16巻「シンガーソングライター」P120:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ジャイアンの悩みを引き受けたのび太がドラえもんに相談し、『メロディーお玉』を使ってジャイアンと一緒に曲作りにはげみます。
楽譜が読めないジャイアンのために、お玉(=お玉じゃくし)をカエルに成長させるなどひみつ道具を改造しながら対応するのび太とドラえもん。
気を良くしたジャイアンは100曲ものオリジナルソングを作成し、のび太とドラえもんを観客にリサイタルを開催するのでした。
ドラえもん16巻「シンガーソングライター」P125:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
音楽好きな人には最高の道具
『メロディーお玉』は歌詞さえあれば、どんな雰囲気の曲でも自動的に作曲します。
ジャイアンの曲を『美しい曲だなぁ』とのび太がしみじみと感想を漏らしたことからわかるように、『メロディーお玉』が作る曲はかなりいい作品に仕上がるようです。
ドラえもん16巻「シンガーソングライター」P123:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
いってしまえば、詩を適当に放り込むだけで、誰でも簡単にシンガーソングライターとして活動できてしまうのです。
音楽を好きな人、これから音楽で生きていこうとしている人にとって、これほど頼りになる道具はないでしょう。
「プー、クスクスクス」はドラえもんの名言
スランプで悩むジャイアンを見て、ドラえもんが思わず吹き出してしまう名シーンはこの回に登場します。
ドラえもん16巻「シンガーソングライター」P121:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
やつれたジャイアンの顔もヒドいものですが、それを笑うドラえもんの顔はもっとヒドいといえるでしょう。
本来のジャイアンであれば迷わず殴りかかるところですが、はげしく落胆していること、そして今から自分を助けてくれることを考え、ギリギリのところで理性を保つことができました。
ドラえもんには、このように長く語り継がれる名言がたくさんあります。
これらを目当てにドラえもん全巻を読破するのも楽しそうですね。
将来は成功間違いなし?のジャイアン
それにしても、いくら『メロディーお玉』が作曲してくれるからとはいえ、一人で100曲もの音楽を作るジャイアンの熱量は相当なものです。
メロディーお玉のおかげで音楽のクオリティは高いはずなので、100曲も作れば1つくらい大ヒットするものが現れてもおかしくありません。
もちろんジャイアンは素人なのでいきなり自分の曲が売れることはなくても、地道に作曲活動を続けていくうちに力が付き、世間が気付いた時には持ち歌1万曲以上という超ビッグな歌手になっている可能性もあります。
地道にコツコツ1つの道を極めようとするジャイアンの姿勢に、彼の将来の成功が見え隠れしている気がしますね。