天候を自由に操ることができるひみつ道具といえば「お天気ボックス」で決まり!好きなカードをマシンに入れると、そのとおりのお天気になるというから驚きです。ドラえもんの道具の中でも定番の部類に入るお天気ボックスを紹介していきますよ!
全てはスネ夫に勝つために
ハイキングを翌日に控えたのびたたちは、お天気を気にしています。予報では雨と出ていますが、のびたは晴れると言い切ります。そう、のびたにはドラえもんという頼れる相棒がいるじゃないですか!スネ夫は雨が降ることに3発かけますが、のびたは30発に引き上げます。
のびたの不敵な笑い ドラえもん10巻「お天気ボックス」P83:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
絶対に勝つ勝負とわかっていて罰ゲームを引き上げるわけなので、のびたのちょっとしたブラックな部分が垣間見れる瞬間です。日頃からスネ夫には仲間はずれにされたり馬鹿にされたりするのびたなので、こういうところで仕返ししているんでしょうね。
影響のある範囲は不明
お天気ボックスを使って影響が出る範囲は明確にされていません。ドラえもんたちの場合はハイキングがテーマになっていますので、のびたの街からハイキング予定の山までの距離を考えても、お天気ボックスから半径50km程度が影響範囲でしょうか。もっと遠くまで影響を広げたいなら、自分がその場所にいってお天気ボックスを使う必要があると考えられます。
手作りカードでは意味がない
お天気ボックスの性能を確かめるため「風」のカードを使用したところ、部屋の中に突風が吹き荒れ、天候を決めるための大切なお天気カードが飛んでいってしまいました。必死に探すも見つからず、ドラえもんが太陽マークを手書きして使ってみますが、どうもうまくいきません。
偽物カードは意味がない ドラえもん10巻「お天気ボックス」P87:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
なんとなく結果はわかっていましたが、しっかりした道具でないと効果がないんですね。そして結果的には雲とりバケツを使って問題を解決することになります。雲とりバケツはフタを開けると数十キロ範囲の雨雲を取り込んで晴れにできる道具なので、お天気ボックスと目的は重なりますが発動方法が全く異なります。この話ではお天気ボックスと雲とりバケツが同じエピソードで使われており、使い分けが面白いところです。
お天気は自然任せが一番?
お天気ボックス以外でも天候を自由に操るひみつ道具は存在します。ただし、天候は自分以外の多くの人たちに影響を与える重要な要素です。自分都合で晴れにしてしまうと、雨を心待ちにしている農家の人が困ったり、雨にすると運動会を楽しみにしていた子どもたちが悲しんだり、必ずどこかで不利益を被る人が出てきます。よほど大切な用事がある時だけ限定的に使うのはいいにしても、自分が毎日の天気を決めてしまうと色々なところから毎日クレームや要望が来るので、とてもじゃないですがやっていけませんがやっていけません。
お天気ボックスはとても便利な道具ですが、やはり自然にまかせてしまうのが一番なのでしょう。
ねがい星のように何でも願いを叶えてくれる道具も同様で、天気に関する願いが叶ったとしても、その結果が思わぬ方向へ向かうリスクがあります。カミナリ雲のように特定の天候現象を引き起こす道具もありますが、これもまた使い方次第で周囲への影響が大きくなります。
天気を操ることの難しさは、影響範囲と利害関係の複雑さにあります。台風の卵のように制御が難しい道具であれば特に、慎重な使用が求められます。お天気ボックスはカードという形で操作が比較的シンプルですが、それでも失くしたり偽物を使ったりすることで機能しないという点が、道具の信頼性の大切さを教えてくれています。
また、さすと雨がふるかさのような局所的な効果を持つ道具と比べると、お天気ボックスはより広範囲に影響を及ぼす分、使いどころの判断が重要になります。天候を自分でコントロールできるという夢のような能力も、結局は自然の摂理に従うことが最善だというドラえもんらしいメッセージが込められているのかもしれません。
カード式だから起きるトラブル
お天気ボックスは、カードを入れるだけで天気を変えられるという操作のわかりやすさが魅力です。晴れ、雨、風といった天候がカード化されているので、子どもでも直感的に使えます。けれど、そのカードをなくすと何もできなくなるという弱点もあります。
手書きの太陽マークではうまくいかなかったことから、お天気カードには見た目以上の情報が入っているのでしょう。単なる絵ではなく、天候を指定するためのデータや認証が埋め込まれているのかもしれません。未来の道具でありながら、カードをなくすという日常的なミスで機能しなくなるところが面白いです。
この仕様は、安全装置として考えることもできます。誰でも適当な紙を入れて天気を変えられたら危険です。正規カードだけが使えるからこそ、ある程度の管理ができます。ドラえもんが手作りカードで失敗した場面は笑えますが、天候操作という大きな力を扱う道具としては、むしろ当然の制限なのかもしれません。
天気を決める責任
お天気ボックスがあれば、遠足や運動会、旅行の日を晴れにできます。個人の願いとしては最高です。しかし、同じ日に雨を必要としている人もいます。農作物に水が必要な人、涼しい雨を待っている人、乾燥を防ぎたい人。天気は誰か一人の都合で決められるものではありません。
のびたがスネ夫との勝負に勝つために天気を変えようとするのは、子どもらしい発想です。しかし道具の力は、子どものけんかを超えて周囲へ影響します。ここに、お天気ボックスの便利さと怖さがあります。カード一枚の軽さで、広い範囲の自然を動かしてしまうのです。
だから、お天気ボックスは夢のような道具でありながら、使う人の責任感を強く試す道具でもあります。晴れにしたい気持ちはわかる。でも本当に変えてよいのか。そう考えると、自然任せが一番という結論にも納得できます。
また、天気のカードが複数あるなら、組み合わせや連続使用も気になります。晴れの直後に雨、雨の直後に風、といった使い方をすれば、自然界にはない不安定な天候が生まれるかもしれません。部屋の中で風カードを試しただけでも大騒ぎになったことを考えると、軽い実験気分で使うには危険な道具です。
それでも、お天気ボックスには強い夢があります。大切な日を晴れにしたい、暑すぎる日に少し雨を降らせたい、雪を見たことのない場所で雪景色を楽しみたい。人間の天気への願いは昔から尽きません。お天気ボックスはその願いをカード一枚で叶えてしまうからこそ、ドラえもんの代表的な道具として印象に残るのでしょう。
便利さと責任が表裏一体になっている点で、お天気ボックスは天気系ひみつ道具の中心にある存在です。
のびたがスネ夫との勝負に使おうとしたように、子どもにとって天気は遊びや行事を左右する大問題です。だからこそ、お天気ボックスの魅力はとてもわかりやすいです。明日の天気を自分で決められるなら、誰でも一度は使ってみたくなるでしょう。
ただ、天気はみんなのものです。自分の遠足のための晴れが、誰かにとっては困る天気かもしれません。お天気ボックスは、願いを叶える楽しさと、自然を共有する難しさを同時に見せてくれる道具です。




