飲むと困っている人を助けるようになる『タスケロン』。
他人に尽くすようになります。
一番の理解者はしずかちゃん
山のようにある宿題を片付けるため、困っている人を見捨てて脇目も振らず家に変えるのび太。
ドラえもん20巻「ぼくをタスケロン」P37:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
世の中は助け合いの社会だというドラえもんは『タスケロン』を取り出し、協力する大切さを説きます。
友達に『タスケロン』を飲ませて宿題を手伝ってもらおうと考えたのび太でしたが、逆に自分が飲んでしまい、忙しいにも関わらずたくさんの人を助けることになります。
あれよあれよという間に時間が過ぎ去り、気づけば宿題をやる余裕もないほど日が暮れてしまいました。
ドラえもん20巻「ぼくをタスケロン」P43:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
諦めかけていた時に現れたのはしずかちゃん。
のび太の行動を見ていたしずかちゃんはのび太の本当の優しさに気付き、一緒に宿題をやってくれるというのです。
お互い助け合う大切さを学ぶと同時に、しずかちゃんという大切な理解者を得たのび太なのでした。
ドラえもん20巻「ぼくをタスケロン」P43:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
自らをなげうつ覚悟
『タスケロン』を飲むと自分のことは後回し。
とにかく他人に貢献することを最優先に行動するようになります。
もとからボランティア精神の高い人は違和感なく行動できるでしょうが、そうでない人は戸惑うはずです。
本当にやりたいことが別にあるにも関わらず、それを捨ててまで他人に協力するというのはなかなかできることではありません。
見返りを期待するのは悪いことか?
『タスケロン』を使ったからといってその見返りが約束されているわけではありません。
コミックでは最終的にのび太はしずかちゃんの理解という嬉しいプレゼントが待っていましたが、現実世界ではそううまくもいかないものです。
そもそもボランティアとは報酬を期待してやることではなく、なにかやりたい、助けたい、貢献したいという気持ちが源です。
世の中そんなきれいな心の持ち主ばかりではありませんが、他人のために喜んで自らを犠牲にして助けてくれる人がたくさんいる世界になれば、きっと暮らしやすくなるでしょう。
しずかちゃんの魅力
この回で注目すべきことは『タスケロン』の効果ではなく、しずかちゃんの魅力です。
容姿端麗、頭脳明晰、友人の評価も高いしずかちゃんは、パートナーを見抜く力も兼ね備えていることがわかります。
人は見かけではなく内面が大切。
そのことを小学生ながら自然と理解し、のび太の本当の優しさに気付き、一緒に宿題を手伝ってあげる姿勢はまさに女神。
ドラえもん20巻「ぼくをタスケロン」P43:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
『タスケロン』によってのび太だけでなくしずかちゃんにも影響を与えた貴重な回ですね。