邪魔なものを一定時間消すことができるひみつ道具がタイムピストルです。厳密にいうと消すというより未来の世界に送ってしまうもので、設定した時間が経過すると元の場所に戻ってきます。
勉強を邪魔するものは排除!
何がなんでものび太に勉強させたいドラえもんは、防止とサングラスを身に着け、手にはタイムピストルを持って邪魔者を片っ端から消してしまいます。
ドラえもんのコンピューターが狂った! ドラえもんプラス2巻「タイムピストルでじゃま物は消せ」P182:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
でも実はコレ、指定した時間だけこの世から消してしまう効果があり、のび太をおどすことに成功したのです。調子に乗ったのび太はタイムピストルであらゆるものを消すことを楽しみ、最後は夕ごはんを消してお腹がすく中で待たなければいけなくなってしまったのでした。
ご飯を3時間おあずけはかなり苦しいだろう ドラえもんプラス2巻「タイムピストルでじゃま物は消せ」P186:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
集中できる環境作り
何かに集中したい時、もしくは部屋を広く見せたい時などタイムピストルで一定時間消してしまうのはとても効果的です。厳密にいうと消すというより未来に送っているので時間がくるまで現世には存在しなくなります。
周囲がすっきりするだけでも気持ちの持ち方も変わりますし、重宝しそうですね。スケジュールどけいでしっかり時間を管理しながら、勉強の時間帯はタイムピストルで邪魔なものを全て消してしまえば、最強の集中環境が生まれます。
時間は自由に設定
タイムピストルは設定を変えることで30秒、3分、30分、3時間、3日間の単位で持続時間を変更可能です。目的に合わせて使い分けたいですね。
短時間の設定は一時的に邪魔をどかしたい場面に、長時間の設定は本格的な断捨離的活用に向いています。ただし、必要なものを誤って消してしまうと取り返しのつかないことになるため、慎重に使う必要があります。
設定時間を細かく選べるところに、タイムピストルの実用性があります。30秒ならちょっとした目隠し、3分なら作業場所の確保、30分なら掃除や勉強、3時間なら食事や遊びの誘惑を断つといった使い分けができます。3日間ともなると、もはや一時保管というより別の時間へ預ける感覚です。
ただし、未来へ送ったものは時間が来るまで戻せないように見えます。間違って大事な宿題や財布、夕ごはんを消してしまえば、その間はどうにもなりません。のび太が調子に乗って失敗するのも、この道具が「あとで戻るから大丈夫」と油断させる性質を持っているからでしょう。
かたづけラッカーとの違い
コミック17巻で登場したかたづけラッカー。
吹きかけると姿を消してしまう効果があるのですが、ラッカーは姿が見えなくなるだけで手で触れることができるのに対し、タイムピストルは未来に送ってしまうので時間がくるまで現世には存在しなくなります。部屋を広くする目的で使うなら、つまずいてしまうかたづけラッカーよりもタイムピストルのほうがいいですね。
同じく時間に関わる道具としてタイムマシンは過去や未来に移動できますが、タイムピストルは対象物を未来に送るという一方向の発想です。スピードどけいが時間の流れを操るのとも異なり、タイムピストルは物理的に対象を時間軸上で移動させる道具といえます。
使いどころを慎重に
タイムピストルを使うと大切なものを誤って消してしまう可能性があります。のび太が夕ごはんを消してしまったように、衝動的な使用は後悔につながります。バイバインのようにコントロールを失うわけではありませんが、設定した時間まで戻ってこない点は注意が必要です。
また、人に使用することの倫理的な問題も考える必要があります。ドラえもんがのび太を脅すために使ったように、悪意を持って使えば人を一時的に「消す」ことができてしまいます。未来の世界ではこういった道具の使用に厳しいルールがあることでしょう。
片付け道具として見るとかなり優秀
タイムピストルを戦闘やいたずらではなく片付け道具として見ると、かなり便利です。部屋が散らかっていて集中できない時、目の前の漫画やおもちゃを一定時間だけ消してしまえば、誘惑を物理的に遠ざけられます。捨てるわけではないので、断捨離が苦手な人にも使いやすいでしょう。
特にのび太のように意志の力だけで集中するのが苦手なタイプには、環境を先に整える道具が向いています。誘惑が見える場所にあるから手が伸びるのであって、時間が来るまで存在しないなら諦めるしかありません。勉強道具としては、ドラえもんが本気で管理すれば相当な効果を発揮しそうです。
未来に送るという発想の怖さ
タイムピストルは、ものを透明にしたり小さくしたりするのではなく、時間軸の先へ飛ばします。この発想はかなり大胆です。目の前から消えたものは壊れたわけでも隠れたわけでもなく、未来の同じ場所に待機しているような状態になります。空間ではなく時間を収納場所にしているのです。
そう考えると、四次元ポケットとは別の意味で便利な保管方法といえます。ただし、戻ってくる場所に別のものが置かれていたらどうなるのか、戻る瞬間に人がいたら危険ではないのかなど、気になる点も多くあります。時間を扱う道具は、便利さの裏に必ずルールの難しさがついてきます。
のび太の失敗が教えてくれること
のび太は、タイムピストルで邪魔なものを消す楽しさに夢中になります。ところが最後には夕ごはんまで消してしまい、自分が困ることになります。このオチは分かりやすいですが、道具の本質をよく示しています。邪魔かどうかは、その瞬間の気分だけで決めると危ないのです。
今はいらないと思ったものでも、少し後には必要になるかもしれません。タイムピストルは、衝動的な判断をそのまま現実にしてしまう道具です。だからこそ、使う前に「本当にこの時間だけなくても困らないか」を考えなければなりません。便利な道具ほど、使う人の判断力が試されます。
時間を収納場所にする未来感
タイムピストルを収納道具として見ると、かなり独特です。押し入れや倉庫、四次元ポケットのように別の空間へ入れるのではなく、未来という時間の先へ置いておく。これは、空間の節約ではなく現在から一時的に存在を外す発想です。
部屋の片付けで困るのは、物の量だけではなく、今それが目に入ることでもあります。タイムピストルは、今だけ見たくないもの、今だけ邪魔なものを消せるため、気持ちの整理にも使えます。ただし、戻ってきた時にまた向き合わなければならないので、根本的な解決ではありません。
ドラえもんの脅し方がうまい
最初にドラえもんが帽子とサングラス姿で現れる場面は、道具の怖さを印象づける演出になっています。タイムピストルは見た目が銃型なので、のび太をびびらせるには十分です。実際には一定時間だけ未来へ送る道具ですが、何も知らない側から見れば本当に消されたように感じます。
この使い方は少し乱暴ですが、のび太に勉強させるためのショック療法としては効いています。ドラえもんも、のび太の性格をよく分かっているからこそ、わざと大げさな雰囲気を作ったのでしょう。タイムピストルは性能だけでなく、見せ方まで含めてインパクトのある道具です。
ただし、脅して勉強させる方法は長続きしません。タイムピストルで邪魔なものを消しても、のび太自身が勉強に向き合わなければ根本的には変わらないからです。環境を整える道具としては優秀ですが、最後に必要なのは本人のやる気です。このあたりの限界も、ドラえもんらしい教訓になっています。





