『うそつ機』を通して話したことは、たとえそれがどんなに現実離れしたことでも実現する効果があります。
夢のような道具ですが、使い所が難しい点もあります。
だまされ続けるのび太
エイプリルフールに友だちからだまされ続けるのび太。
悔しいので自分もウソをついて友だちをびっくりさせてやろうと企みますが、のび太は賢くないから上手なウソがつけません。
そこでドラえもんが出したひみつ道具が『うそつ機』です。
くちばしのような形をしていて、口に取り付けて使います。
その状態でしゃべった内容が、例えどんなウソであったとしても現実化してしまう力があります。
ウソ一覧を紹介
コミックで登場したウソを紹介します。
のび太の後ろにオバケがいる
うそつ機の力を試すため、ドラえもんがのび太についたウソ。オバケの存在を信じたのび太は「キャアこわい」と言って、目の前のドラえもんに飛びつきます。
ママはのび太
勉強しろと言ってくるママに対し「のび太はあなた。勉強はあなたがやりなさい」とウソをつきます。
スネ夫の家が火事
道で出くわしたスネ夫が、のび太の家が火事だとウソをついてきました。
のび太はすかさずカウンターで「その火事が広がって、今もえているのはスネ夫の家だ」と返します。
これを信じたスネ夫は、慌てて家具を家の外に放り出しはじめました。
ドラえもん3巻「うそつ機」P64:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ジャイアンの犬は人間
ジャイアンが散歩していた犬に対し「お前は人間だ」とウソを着くと、犬がムクリと立ち上がり、ジャイアンを引きずって歩くようになりました。
火星人が攻めてきた
通行人に対して火星人が攻めてきたというウソをつき、街中が大混乱になってしまいました。
万能なひみつ道具『うそつ機』
うそつ機を使えば世の中の王様になったも同然。自分が思い描く理想を次々と実現させることができるのですから。
のび太はコミックの中で、さすがにウソをつきすぎたと言って素直にうそつ機を返すシーンが描かれています。
ドラえもん3巻「うそつ機」P65:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これはのび太だから良心に従って返却しましたが、悪意を持った人、いや、普通の人間であればうそつ機を使ってもっとすごいことを実現させてやろうと考えるはずです。
ドラえもんの想定読者は小学生なので、そういうリアルな要素が一切省略されているのが大きな特徴ですね。
いつまでも素直な子ども心を持ち続けたいものです。
うそつ機の効果はいつまで続く?
うそつ機のオチは、自分はのび太だと思いこんでいるママが家事を放棄するシーンで終わっています。
一番はじめについたウソの効果がずっと続いている描写ですね。
時間に直すと2時間〜3時間の間の出来事のように見えますが、うそつ機の効果がいつまで続くのか疑問が残ります。
特に気になるのが
- 人間だと思いこんでいるジャイアンの犬
- 火星人が攻めてきたと思い込んでいる群衆
の2つ。
【1】ジャイアンの犬
ドラえもん3巻「うそつ機」P65:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
まずジャイアンの犬ですが、このまま家に帰れば大混乱は避けられません。
人間だと思いこんでいるので、家に上がり込み、漫画を読み、人の言葉を話すかもしれません。
世にも珍しい犬ということで取材が殺到し、たちまち人気者になるでしょう
【2】群衆
ドラえもん3巻「うそつ機」P65:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
次に火星人が攻めてきたと信じている人たち。実はこちらのほうがやっかいです。
ウソを信じている人たちは慌てるだけですが、のび太がついたウソのせいで今まさにこの瞬間に火星人が攻め込んできているのです。
武装し、宇宙船に乗り込み、約78,000km離れた火星から地球に押し寄せているところです。
仮に火星人の宇宙船の速度が光の速さだと仮定すると、火星から地球までわずか4分30秒で到着してしまいます。
のび太のママが2〜3時間たってもうそつ機の効果が続いているところを見ると、すでに空には火星からやってきた無数の円盤が浮かんでいるかもしれません。
似たひみつ道具もある
うそつ機に似た効力があるひみつ道具として、
- ソノウソホント
- うそ800
- もしもボックス
などがあります。
持ち運びやすさと使い勝手を見ると、今回のうそつ機やソノウソホントがベストでしょう。
使うタイミングをよく考えよう
うそつ機は、一見すると夢のような機械ですが、世界の常識をひっくりかえしてしまう恐ろしい力もあります。
使う前によくシミュレーションし、自分のウソが世の中にどういう影響を及ぼすかしっかり考えて使うようにしましょう。