長距離を移動するひみつ道具といえば『どこでもドア』がお馴染みですが、実はどこでもドア以外でもそれに似た道具はいくつか存在します。
今回はそういった道具の1つ『電車ごっこ』を解説していきます。
いつものスネ夫の自慢にうんざり
ハワイ旅行に行った事を例によって自慢するスネ夫。
あまりに何日にもわたって自慢するのでみんなうんざりしているところに、のび太はついはずみで「世界一周旅行に行ってきた」と口走ってしまいます。
当然ながら「だったら証拠の写真を見せろ!」という流れになり、自業自得ながら窮地に立たされるのび太。
かといって旅行に行ってない以上、そんな写真存在しませんからドラえもんに泣きつきます。
最初はタケコプターで飛んで世界を廻る案もありましたが、あまりにも時間が掛かりすぎるという事で、代わりに出したのが、ドラえもん曰く「長い事使っていない」という「電車ごっこ」というプレート状のひみつ道具です。
便利な反面、アホな一面も
『電車ごっこ』は看板に行きたいところ書いてドアに貼れば、そこに連れてってくれるという道具です。
早速海外に行こうと「ニューヨーク」と書いてドアに貼り付けますが、しかし何と出てきた先はお風呂屋さん。
ドラえもん7巻「行かない旅行の記念写真」P60:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
どうやら「ニューヨーク」と「入浴」を間違える不具合が発生してるようで、分解してみるとやっぱり故障してました。
直すのには1週間はかかるといわれてしまい、今すぐ写真を用意できなくなったのび太はどうしたらいいのでしょうか・・・
実は別ストーリーでも登場している
この話では「ニューヨーク」と「入浴」という何ともベタベタなギャグで故障が発覚して、そのまま退場という、いいとこ無しな感じの「電車ごっこ」です。
これ以前の話で、てんとう虫コミックススペシャル『ドラえもん カラー作品集』5巻の「ふしぎな海水浴」でも一度登場しています。
こちらの話では、野比家が海水浴に行くために使われて、故障する事なく、海水浴場へと連れていっています。
ただ、「うみ」と書いたら海中に出てしまうという融通の利かないところもありますが(この場合「海岸」と書くのが正解でした)、使い方さえ間違わなければ、きちんと目的地に着くことが出来ます。
ドアやふすまに貼り付けておいたままにしておけば、ずっとつながったままになっているため、自宅と海岸の行き来も簡単にできるようになっていました。
ちなみにこの話では野比家を海水浴に連れていっただけでなく、同じ海水浴場に来ていて、自家用車が盗難に遭って帰れなくなっていた骨川家(スネ夫の家族)を、自宅近所(野比家)まで送り届けるという役目も果たしています。
長距離移動の道具はたくさんあります
長距離移動に関する道具なら現在だとどこでもドアが定番ですが、この話が書かれた当時は、どこでもドア自体が登場していませんでした。
この他に出てくる移動道具には、ドラえもんプラス5巻「まほうの地図」という話に登場する大きな布状のひみつ道具があります。
それにくるまると、指定した場所に行けるという効果があります。
ちなみにこの道具は登場当時に名前がありませんでしたが、コミック11巻に収録されている「ドラえもん大辞典」において、『旅行地図』という名称が明かされています。