容器の中にサプリメントのような錠剤が入った『どんな病気にもきくくすり』です。
その名の通り、どんな病気ですら治してしまう効果があります。
しずかちゃんの愛犬を救え
生まれた時からずっと一緒に暮らしてきたペット(ペロ)を亡くしたことが原因で悲しむしずかちゃん。
泣き叫ぶしずかちゃんを見たのび太は「生き返らせてやる」と言い放ちますが、ドラえもんには「不可能だ」と言い返されます。
そう、いくらひみつ道具を使いこなすドラえもんだといっても、死んでしまった生き物を生き返らせることなんて出来ないのです。
ドラえもん3巻「ペロ!生きかえって」P184:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ところが、しずかちゃんはのび太の言葉に真に受けてペロが生き返ると確信し、のび太の家までやってきます。
大切なパートナーを失ったしずかちゃんは、まさに藁にもすがる思いだったのでしょう。
今さら断るわけにもいかず、後に引けない状態となり、ドラえもんが出したひみつ道具が『どんな病気にもきくくすり』でした。
ペロが死んでしまう前日の晩にタイムマシンで移動し、ペロにくすりを飲ませ、ペロは無事に回復したのでした。
似ているひみつ道具
コミック20巻には『お医者さんカバン』というひみつ道具が登場しますが、どんな病気にもきくくすりに非常に似ています。
聴診器の形をしたセンサーで体を調べるだけで必要な薬が自動的に処方されて出てくる便利な道具です。
この2つのひみつ道具を比較してみましょう。
薬の効力について
コミック原作だけで比較すれば『どんな病気にもきくくすり』の方が優れています。
なぜなら『お医者さんカバン』は風邪やおできなどの症状を治療しているのに対し、『どんな病気にもきくくすり』は死にかけているペットの病気まで治してしまうのですから。
とはいえ、風邪を治す薬が開発されればノーベル賞間違いなしと呼ばれている現代。
さすがドラえもんの世界では、すでに風邪の特効薬が開発され、お医者さんカバンで誰でも手にする安価な薬として広がっているのですね。
治療できる回数について
どちらのひみつ道具も、実は治療可能な回数が決まっています。
どんな病気にもきくくすりは、コミックでは容器の中に4粒しか含まれていないので、4回しか治療できないと考えられます。
一方のお医者さんカバンは、7回の調剤で薬が底をついてしまいます。
単純に回数だけで比較すれば、お医者さんカバンのほうが優れていることになりますね。
公務執行妨害の疑いがあります
ドラえもんとのび太がペロを生き返らせるべく、しずかちゃんの家の外で様子をうかがっているところに、警察官が2人に職務質問してきたシーンがありました。
ドラえもん3巻「ペロ!生きかえって」P189:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
今にも捕まりそうになったドラえもんはなんと、タケコプターを警察官に取り付けて空に飛ばして追い払ってしまいます
この行為が公務執行妨害に該当してしまう可能性があります。
なぜなら、警官の職務質問を避けるためにひみつ道具を使い、力で排除しているためです。
タケコプターで飛んでいった警察官の結末について描写されているコマがないのが気になる所ですね。
ドラえもんは基本的に子ども向けのギャグ漫画なので、悲惨な結末を迎えていることはないと思われます。
しかし、シリアスに捉えれば、警察官は無事に着地できず、地面に激突してしまう可能性も否定できません。
高いところから墜落してしまえば体が潰れ、ご臨終となるでしょう。
そうなればドラえもんは公務執行妨害だけでなく、過失致死で罪を問われる可能性もあると言えるでしょう。
使い道が重要になるひみつ道具です
死にかけているペットでさえも治してしまう薬なので、まさに現実離れしたひみつ道具です。
ドラえもんがコミックの中で「そんな(死んだ生き物を生き返らせる)ことができたら地球が生き物で溢れかえってしまうぞ!」と厳しく言及しています。
この道具が大量生産されてしまったら、本来死ぬ運命にある数多くの生命をむやみに生き延ばしてしまい、地球の生態系が乱れてしまうでしょう。
世界にとってよほど重要な人物でもない限り、むやみやたらにこのひみつ道具を使うのは避けたほうが良さそうですね。