「正直者は馬鹿を見る」という言葉があるように、世の中は正直で素直な人間ほど損をしやすいといわれています。
そんな性格を簡単に変えることができる道具があったとしたら・・・
今回はそんな薬『ギシンアンキ』の解説です。
ギシンアンキの本編での使われ方
150円を握りしめ、100円と50円のアイスを1つずつ買ったのび太。
道で出会ったジャイアンから100円のアイスを取られて50円だけ支払われます。
どう考えても計算がおかしいのでジャイアンに文句を言うのび太でしたが、その後奇想天外な理屈でまんまとジャイアンに言いくるめられて納得して帰っていきます。
ドラえもん9巻「世の中うそだらけ」P112:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
150円持っていってどうして50円のアイス2つになるんだとドラえもんに詰め寄られますが、ジャイアンの理不尽な理屈に納得してしまったのび太に何を言っても無駄です。
その様子を見て、あまりにも簡単に人から騙されるのび太を心配したドラえもんは『ギシンアンキ』を出します。
これを飲むととても疑り深くなり、真実を徹底的につきとめないと気が済まなくなるといいます。
ドラえもんが隙を見てのび太に『ギシンアンキ』を飲ませると、のび太の目つきがたちまち変わり、性格が一変!
果たしてのび太はジャイアンからお金を取り戻すことが出来るのでしょうか・・・。
なぜか乱暴になる
『ギシンアンキ』は疑り深くなるのと同時に、なぜか凶暴性も増してしまいます。
薬で疑り深くなったのび太はジャイアンに詰め寄り、強引な理屈でお金を返すよう半狂乱でまくし立てます。
その場を逃げ出したジャイアンをしつこく追いかけ回したり、道すがら出会ったスネ夫をジャイアンの変装と決めつけていきなり顔を引っ張るなど、普段ののび太には見られない暴力的な一面が見えます。
ドラえもん9巻「世の中うそだらけ」P116:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ギシンアンキは自身の性格が変わるだけでなく、行動によって相手をうんざりさせるための効果も含まれているのかもしれません。
人を疑う人生は疲れてしまう
のび太のように人を最初から疑って生きる人生は疲れてしまいます。
自分の気持ちを晴らすために疑うだけならまだしも、その行動で周囲に悪影響を与えるようになってしまうと、周りからも嫌われる人間になりますね。
全く疑う心が無くなってしまうのも問題ですが、フラットな人間関係を築けるよう、日頃の関係づくりを意識したいところですね。
もしもギシンアンキがあったら
ギシンアンキは使うシーンによっては非常に役立つ道具といえそうです。
例えば大きなお金の絡む交渉に行くときなど、やりすぎぐらいに徹底的に相手を疑ってかからないといけない時には『ギシンアンキ』が大いに役立ってくれるでしょう。
普段から騙されやすい人はそういった交渉の際に飲んでおくといいかもしれません。
オレオレ詐欺に簡単に引っかかってしまう人などにも効果を発揮しそうです。
しかし『ギシンアンキ』の効果はかなり強く、うっかり飲み過ぎたりすると日常生活に支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。
また、なぜか凶暴性も増すので、その辺りも注意が必要ですね。
似たような道具
飲んだ人間の性格が劇的に変わってしまうというところでは、コミックス第6巻に登場した『ジキルハイド』が挙げられます。
飲んだ人の性格が真逆になり、大人しい人は乱暴になり、普段から乱暴な人は大人しく泣き虫な人間になってしまいます。