心に思ったことを紙やフィルムに直接写すことを『念写』といいますが、念録マイクは思ったことをテープに声として念写するためのひみつ道具です。
ジャイアンリサイタルを開催させないために、ドラえもんとのび太が使いました。
ジャイアンリサイタルを中止せよ
ジャイアンが風で喉を痛めてしまったため、恒例のジャイアンリサイタルを開催することができません。
ドラえもんたちは喜びを隠しつつ悲しむ表情をしていたのですが、ジャイアンはこんなこともあろうかと、自分の歌をたっぷり吹き込んだテープをすでに作成済みというではありませんか!
それを空き地で盛大に流すというからさぁ大変。
ドラえもんは『念録マイク』を取り出し、のび太と一緒にジャイアンのテープに邪魔な音を念写します。
ドラえもん14巻「念録マイク」P54:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そしてリサイタル当日。
テープの声に合わせて気持ちよくステージに上がっていたジャイアンですが、ドラえもんたちが念録した「これっきりにしてくれ、へんな歌は」「オンチ」「ひっこめ」などの声に邪魔され、リサイタルはめでたく中止になったのでした。
ちょっと古い設定
念録マイクがコミックに登場したのは1978年前後、音楽業界はまだまだテープ最盛期の頃でした。
レトロな雰囲気が若者に受け、最近はテープが復活したという話も聞きますが、基本的にはちょっと古い過去の媒体ですね。
現代の音楽はダウンロードやストリーミング再生が主流ですので、もし念録マイクが存在するなら、それらの音楽データに自分の声を念写することになるでしょう。
声でバレるのでは?
念録するのは自分の声なので、ドラえもんものび太も地声でテープに吹き込んでいると思われます。
ドラえもん14巻「念録マイク」P56:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ジャイアンはテープがおかしいと気づいてリサイタルがめちゃくちゃになりましたが、もうちょっと落ち着いて声を聞けばドラえもんとのび太の仕業ということもバレていたかもしれませんね。
音楽編集ソフト
念録マイクのように離れた場所から声を入れ込む技術は開発されていませんが、音楽の編集ソフトは豊富にあります。
歌の途中の声色を変更したり違う音を入れたりするなど、パソコンを使えばその手の編集は簡単です。
とはいえ、頭に描いた情報を的確に表示させることなど、現代の技術でも追いつくことができませんので、今後の科学の発展に期待ですね。