他人を自分の思いのままに操ることができたら・・・
『人間ラジコン』はそんな願いを叶えてくれる不思議なひみつ道具です。
操られる側からすると迷惑千万なことですが、時には他人に任せっぱなしという人生もありなのかもしれません。
全ては野球から逃れるため
ジャイアンの強烈なしごきにより、強制的に野球を練習させられるのび太。
ドラえもんとの遊びの約束があったにも関わらず、いくらなんでもかわいそうです。
そんな状況を見たドラえもんが出したひみつ道具が『人間ラジコン』でした。
元凶であるジャイアンをラジコンのように操作してその場を離れさせ、その隙に逃げ出そうという考えです。
ドラえもん10巻「人間ラジコン」P149:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ジャイアンは男気あふれる性格で知られていますが、野球のことになると人が変わったように周囲の迷惑を顧みないところがありますね。
操縦には技術が必要
人間ラジコンを上手に操縦するためには、ある程度の技術と慣れが必要なようです。
ドラえもんはすんなりジャイアンを操っていましたが、のび太が何度やっても壁にぶつかってしまうんですね。
ドラえもん10巻「人間ラジコン」P150:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
2人はキャッキャ笑いながらジャイアンを操縦するのですが、ジャイアンにしてみれば全く楽しくありません。
そりゃそうです、壁にぶつかって痛いのは自分ですし、それを遠くで笑いながら見られている状況は誰だって嫌なもんです。
ちょっとやりすぎな自動操縦
人間ラジコンには自動操縦モードがあります。
全てオートで操縦するモードのことで、操られる人がどこにいくかはひみつ道具次第。
危険な行動をすることもあるでしょうし、事故にあうかもしれません。
ドラえもんは苦肉の策で自動操縦モードに切り替えてジャイアンを放置したのですが、実はかなり危険な選択だったことは間違いありませんね。
自動操縦されたジャイアンには結果的にいいことばかり起こります。
- アイスをもらう
- マンガを読む
- 火事をいち早く発見する
- しずかちゃんのお風呂を覗く
ドラえもん10巻「人間ラジコン」P152:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ストーリーのオチでは「もっと自動操縦してくれ」と懇願するジャイアンですが、この時はたまたま運がよかっただけなんです。
車がバンバン通る大通りを急に横切るかもしれませんし、水の中にジャブジャブ入っていくかもしれませんよね。
思考まで操ることはできない
人間ラジコンで操ることができるのは行動だけです。
その人の思考や言葉までは影響外のため、その点は覚えておきましょう。
今回ドラえもんは、ジャイアンの野球の驚異からみんなを逃がすために人間ラジコンを使いました。
結果的にジャイアンにはいいことばかり起こったのでハッピーエンドで終わりましたが、ジャイアンの頭の中にはきっと『無理やり野球を終わらせられた』という怒りのエネルギーが残ったままになることも考えられます。
ドラえもんのように、とりあえず驚異の元凶を取り除けばなんとかなるというやり方はその場しのびにすぎないため、同時に根本的な解決策を考える必要がありますね。