「こんな道具、なにに使うんだ?」と感じる不思議なひみつ道具がたくさんあります。
『さすと雨がふるかさ』もそんな道具の1つとして数えてもいいでしょう。
傘としての効果はなし
『さすと雨がふるかさ』はその名の通り傘をさすと雨が降ります。
ドラえもん10巻「ねがい星」P139:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
雨が降るのは傘の内側だけで、周囲には何の変化もありません。
そもそも雨をしのぐのが目的の傘ですが、さすがにこんな常態だと全く意味がありません。
大量の道具に埋もれていた傘
ドラえもんがこけると、たまに四次元ポケットの中身が溢れ出ることがあります。
日頃からちゃんと整理整頓していないことが原因なのですが、今回の『さすと雨がふるかさ』も大量のひみつ道具の山の中から偶然に見つかったものなんですね。
ドラえもん10巻「ねがい星」P138:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そもそもドラえもんがどういう目的でこの傘を持っていたのかは疑問です。
のび太の無人島生活で大活躍
ドラえもんには、なんとのび太が無人島に家出し、何十年もそこで1人で暮らすという驚きのストーリーがあります。
普段の行動から見ているとそんな大それたことは出来ないと思われるのび太ですが、不屈の精神力とドラえもんのひみつ道具のおかげで無人島生活を送るのです。
その時の道具の1つが『さすと雨がふるかさ』でした。
生きていくための水を確保するために地面に大きな穴を掘り、そこに傘を立てて水源としたのです。
その後ののび太の生活を支える貴重な水ですが、のび太がずっと生きていたことを考えると、傘の使用期限はかなり長いことがうかがい知れます。
ドラえもんは基本的に安物のひみつ道具しか買いませんが、さすと雨がふるかさは珍しく当たりの道具だったということでしょうか。
製造メーカーの意図が不明
のび太は無人島生活において機転をきかせて水源の確保用に傘を使いました。
そうすると、この傘を作った製造メーカーの意図がますます不明です。
水を確保することが目的であれば、紛らわしい傘の形状などにせず、避難用具として売り出すはずです。
雨を防ぐ目的でないとすると、やはりこの傘の存在意義が問われてしまいます。
ドラえもんですら使いみちがないとさじを投げていた道具ですので、やはり未来の人にとっても効果的な使いみちはないんだろうなと想像できます。
未来の世界でも傘は存在するのか?
ここで素朴な疑問ですが、22世紀のドラえもんの世界でも傘はずっと使われているのでしょうか?
優れた科学技術を使えば、自動的に雨が自分を避けてくれるバリアのようなものが開発されている気もしますね。
お天気も自由にコントロールすることが可能でしょうし、ひょっとすると未来の世界には傘という概念がないのかもしれません。
そう考えると、製造メーカーがどうしてこんなトンチンカンなものを作ったのかということにも納得がいきます。
そもそも未来の世界に傘がないとすれば?
さすと雨がふるかさを作った担当者は、傘の存在を知らなかったのかもしれません。
昔の文献を読み、みんなが使っている傘を珍しく感じ、本来の傘の使い方を誤って認識してこういう道具を作ってしまったのかもしれませんね。