昔からタヌキやキツネは人を化かすと言われています。
人間がタヌキや狐に化かされる昔話も日本中に沢山あり、お馴染みとなっていますね。
もしそんなタヌキの化かす力を使う事が出来るようになれば・・・
今回はそんなひみつ道具『タヌ機』のお話です。
のび太=タヌキ?
ある日、スネ夫が気付きます。
「前から何かに似てると思ってたけど・・・のび太はタヌキに似てる!」
これにはジャイアンもしずちゃんも大受けで、一人馬鹿にされたのび太は腹を立てながら家に帰ります。
帰ってからドラえもんがこの話を聞くと、怒ってはくれましたがタヌキのくだりは「うまいこと言う!」と吹き出してしまいます。
自分もタヌキなのに、そのことは棚に上げてますね。
タヌ機でドラえもんがタヌキ
冗談はさておき、「のび太が侮辱されたのなら僕が侮辱されたも同じだ」と友人泣かせの嬉しい言葉とともにドラえもんが出したのは『タヌ機』というひみつ道具です。
これを使えば昔話のタヌキのように人を化かせるといいます。
のび太は早速実験としてドラえもんにタヌ機の力を使うと、ドラえもんはたちまち暗示にかかり、踊り出してしまいました。
ドラえもん7巻「タヌ機」P148:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
スネ夫をタヌ機で化かせ!
外を歩いているスネ夫を見つけたのび太は、さっそくタヌ機の力を使います。
スネ夫はタヌ機の効力により頭がおかしくなり、2つの幻想を見ることになります。
しずかちゃんが山の中に?
なぜか今自分は山の中にいると思いこんでしまったスネ夫。
ドラえもん7巻「タヌ機」P150:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
山道を歩いていて見つけた古びた一軒家がありました。
中には和服姿の美人女性がいて、お腹が減っていたスネ夫はそばにあったおかゆにむしゃぶりつきます。
でも実はこれ、しずかちゃんが家の中で雑巾がけで使っているバケツだったのです。
あまりの不味さに吐き出してしまい、幻覚にすっかり毒されたスネ夫は「どうも変だと思ったんだ!お前はタヌキかキツネだろ!」と一言。
いくらなんでも「タヌキかキツネだろ!」と文句をいう人はいないですよね・・・。
まぁそこは漫画の中の設定ということにしておきます。
ジャイアンはゴリラ?
しずちゃんを追いかけまわすスネ夫。
慌てて止めに入るジャイアンでしたが、今度はそのジャイアンがゴリラに見えて「ゴリラだ!」と思わず叫んでしまいます。
それを聞いたジャイアンから怒りの鉄拳を受けて正気に返るスネ夫でしたが、時すでに遅く目の前には怒り心頭のジャイアンが・・・
ドラえもん7巻「タヌ機」P152:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
まぁジャイアンの流れについては、いつもどおりのドラえもんの展開な気もしますね。
初期のドラえもんは何かとスネ夫が悪役に回りがちですが、この話もその1つです。
のび太の仕返しもちょっとやりすぎな感じがしますが、しっぺ返しもしっかり喰らっているのが実にのび太らしいですね。
使い方に注意したいタヌ機
『タヌ機』はいわば強力な催眠術機で、後ろからでも幻覚にかけられるあたりその効果は絶大です。
しかも幻覚だけでなく強力な暗示も掛けられるので、使い方次第では人間を自由に操るというちょっと危険な使い方もできるかもしれません。
タヌ機に似たひみつ道具
似たような道具では、動物が人間を「化かす」というところだと、コミックス16巻に出てくる『ドロン葉』があります。
一見ただの葉っぱですが、動物の頭に乗っけると脳から特殊な念波が放射され、周囲の人間に幻覚を見せるという効果があります。
ただ「化かす」事は「身を守る」という事でもあるので、ひどい目に合っている動物にしか効果を発揮できないようになっています。