天気を自由自在に決めることができる『天気決定表』。
未来の世界の気象庁が管理しているひみつ道具ですが、のび太は天気を決める大切さとしんどさを同時に味わった貴重な道具といえます。
天候を操る天気決定表
もともとは夏休みの日記を書くためにドラえもんが出した『天気決定表』。
書いた通りの天気になるという非常にシンプルな効果がありますが、天候はイベントや社会情勢を見ながら決める必要があるので、とても大変だとドラえもんが説きます。
ドラえもん12巻「天気決定表」P78:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
初めのうちは余裕をかましていたのび太ですが、しずかちゃんが楽しみにしていたキャンプのために晴れにしたり、友だちのお店の傘が売れないから雨にしてあげたり、かと思ったらパパのゴルフが重なっていたり、あれこれ考える要素が多すぎてえ困ってしまいます。
ドラえもん12巻「天気決定表」P84:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そりゃそうですよね、人それぞれ事情が異なるため、こうなってほしいという天気が一致しないことのほうが多いはずです。
その重圧に耐えられなくなったのび太は、最終的には自然に任せたほうがいいという大人な判断をするに至るのでした。
天気が変わる=雲、気圧が変わる
事あるごとにのび太が書き換えている『天気決定表』ですが、天気が変わるというのは要するに気圧配置や風向き、雲の位置などが大きく変わることを意味しています。
未来の世界では全ての気候を操ることが可能なため、天気決定表を変更するたびに日本全国、いや世界全体の気象条件が変わることを意味しています。
ところがのび太がいる世界にはそんな優れたシステムは存在せず、天気決定表の内容に従って実際に雲が急に消えたり現れたり、瞬間的に気象条件が変更してしまうことを意味しています。
度重なる天候の変更は、おそらく地球そのものにも大きな影響を与えるものと推測されます。
気軽に使っているのび太ですが、もっと大きな視点にたって使わないと、異常気象など後遺症が残ってしまう恐れもありますね。
万人に合う天気はない
人によって事情が異なるため、全員が納得できる天気は存在しません。
それを人の手で決めてしまえば、不満の矛先は全て変更者(今回はのび太)に向いてしまうわけで、未来の気象庁ではおそらく誰がその実験を握っているかは明らかにされていないはずです。
ドラえもん12巻「天気決定表」P79:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
利害関係が影響してくることを考えると、本来はドラえもんのような子守ロボットが持っていていいような道具でもないはずで、どうしてそんなものが流通しているのか不思議です。
そういえば、ドラえもんは『地球はかいばくだん』や『熱線銃』など、聞くだけでも恐ろしい道具を四次元ポケットに忍ばせていますね。
いったいドラえもんはどこでそういうものを調達しているのでしょうか?