何かが起こりそうな予感がするとき、『よかん虫』が頭に止まるとその予感が的中するというなんとも不思議な効果のあるひみつ道具です。
いい予感も悪い予感も当たるため、できるだけプラスのことを考えたほうがお得といえそうです。
のび太は気分で浮き沈みするタイプ
物事を悪い方向に考えがちなのび太。
まぶたがピクピクすると悪いことが起こると自分で決めつけているようです。
週刊誌の占いコーナーでいい結果が出ているだけで気分がウキウキしてくるのび太は、気分で行動が左右されやすいタイプの人間ですね。
ドラえもんが出した『よかん虫』が頭に止まると、それまで予感していたことが実現する効果があります。
つまり、いいことが起こる!と常に信じていれば、よかん虫の効果でいいことばかり実現するし、その逆もまた然りというわけですね。
ポジティブ思考の人が使えば効果ばつぐんなのですが、のび太のように気分に左右されやすいタイプの場合、逆効果に働くこともあります。
ドラえもん12巻「よかん虫」P44:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
最終的にはドラえもんまで巻き込んでしまう事態に陥り、よかん虫の使い所の難しさを物語る結末となりました。
のび太の純粋さ
のび太は日頃からノロマで勉強が出来ず、落ちこぼれなイメージのある少年です。
のび太自信もそのことはよく理解しているため、自分に自信がないのは当然でしょう。
それでも、ドラえもんの言葉や雑誌の占い結果で簡単に気分が盛り上がるところを見ると、非常にピュアなのび太の純粋さが浮き彫りになります。
ちょっとした行動で気分が影響されるため、テストで悪い点を取ったくらいで深く絶望したり、天にも昇るウキウキした気持ちになったりします。
ドラえもん12巻「よかん虫」P41:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太のようなタイプは人の感情にも共感しやすいので、周りから信頼されやすい人といえますね。
こういう純粋さが、将来のしずかちゃんを射止めるきっかけになるのかもしれません。
思い通りの世の中になる
よかん虫を、例えば人の上に立つような人が使うことで絶大な効果を発揮します。
彼らは強い信念と行動力があってこそ人の上に立つ人なので、要するに自分に自信があることが多いといえます。
よかん虫はそういう自信に引き寄せられるため、何かを成し遂げたい人の思い通りにことが運ぶわけです。
『もしもボックス』を使えば、頭の中で考えている『もしもこんなことができれば』という想いを実現化することが可能ですが、よかん虫のほうが手っ取り早いかもしれませんね。
なんでも実現させてしまう力のあるひみつ道具は、そう簡単に世の中に流通してはいけない気もしますね。