小さな声は大きく、大きな声は小さく出すことができる『アベコベマイク』。
ジャイアンリサイタルを平和に終わらせるためにドラえもんが出したひみつ道具です。
ジャイアンの歌声を食い止めろ
ジャイアンファンクラブの会長としてのび太は半ば強制的にジャイアンコンサートを開催することになります。
『腕ずくチケット』や『カラオケメイツ』を用意して盛り上げようとしますが、どうしてもネックはジャイアンの強烈な歌声。
ドラえもんは『アベコベマイク』を使ってジャイアンの大声を聞こえなくすることに成功します。
ドラえもん38巻「またもジャイアンコンサート」P23:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
みんな平和なハッピーエンドを迎えることができたのでした。
高性能マイクと見せかけて・・・
ジャイアンの歌声を東京中に響かせようという目的で『アベコベマイク』を提案したドラえもんの勝利です。
ジャイアンは自分の声が誰よりも大きく、どこまでも遠く響き渡っていると悦に浸りながら歌っていることでしょう。
でも実際にコンサート会場にいる人たちにはジャイアンの声は『アベコベマイク』の性能のおかげでほとんど聞こえていないのです。
地声は聞こえるはずなのに
本来マイクは音を増幅してスピーカーから出す道具ですが、『アベコベマイク』はスピーカーらしきものが見当たらないため、マイクそのものから音が発せられていると考えられます。
ドラえもん38巻「またもジャイアンコンサート」P23:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
たしかにマイクを通るジャイアンの声はアベコベに再生されるのはわかりますが、マイクを通さないジャイアンの地声もいくらか聞こえてもいいはずなのです。
ジャイアンの歌声は窓ガラスにヒビを入れたり吐き気をもよおす公害レベルのものとして知られていますが、会場にいる誰も歌声に悩まされている風には見えません。
ドラえもん38巻「またもジャイアンコンサート」P23:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
『アベコベマイク』は使用者の声を完全に集音し、地声ですら外に漏らさないよう工夫がされているのですね。
一見すると普通のマイクにしか見えませんが、かなり高性能なひみつ道具といえそうです。