あげられたこ

あげられたこを使うと、たこでなく自分が空に浮かぶようになります。地面にたこを設置して糸を伸ばすと体がフワフワと浮かび上がり、糸を伸ばせば伸ばすほど高く上昇していきます。たこを揚げるのではなく自分が揚げられるという発想の逆転が面白い道具です。

未来のたこ

たこあげが下手くそなのびたは、部屋の中で楽しむミニだこすら上げることができません。そもそも糸を操る技術が必要なたこあげは、のびたにとって最も苦手な遊びのひとつかもしれません。代わりに取り出したあげられたこでようやく自分の体が浮かび上がり、満喫していたのびた。

あげられたこ
新発想のたこ

出典:ドラえもんカラー2巻「あげられたこ」P131:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

友達もさそって一緒にたこで遊んでいたところ、糸が絡まってこんがらがってしまったのでした。複数人が同時に使うと上空で糸が絡まるというのは、現実のたこあげでも起こりうる問題ですが、人間が浮かんでいる状態で糸が絡まると事態はより深刻です。地面で操作するたこと違い、自分自身が空中にいる状態での糸絡みは、安全面での大きなリスクとなります。

自分の体が浮かびます

あげられたこを地面に設置し、たこ糸を伸ばすと体がフワフワと浮かび上がります。おそらくたこ本体が反重力装置になっていて、使用者を浮かび上がらせる効果があるのでしょう。糸を伸ばせば伸ばすほど空高く浮かび上がります。たこと人が糸でつながれているという視覚的なインパクトは非常に大きく、外からは不思議な光景に見えるでしょう。

タケコプターと同じで使用者の意思が伝わってコントロールしていると思われ、見た目は単純なたこなのですが、未来の技術が結集しているのでしょう。タケコプターが頭部に装着する道具なのに対し、あげられたこは地面に置いたたこが人を引き上げるという全く異なるメカニズムです。どちらも22世紀の浮遊技術が使われているのでしょうが、そのアプローチの違いが興味深いところです。

糸を伸ばすことで高度が上がるという仕組みは、ウインチやエレベーターに似た感覚です。通常のたこは糸を伸ばすと高く上がりますが、あげられたこも同様に糸が長くなるほど高くなるのは直感的にわかりやすい設計です。ただし通常のたこは空中にあるたこ本体が糸を引っ張っているのに対し、あげられたこは地面にあるたこ本体が人を引き上げているという点が逆転しています。

上昇・下降も思い通り

浮かんだ体は上昇も下降もできます。

あげられたこ
ゆっくり下降するのびた

出典:ドラえもんカラー2巻「あげられたこ」P133:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

糸を伸ばすと浮かぶのは理解できても、のびたがどうやって降りたのかの細かい説明はされていません。糸を手繰り寄せることで高度を下げるのかもしれませんし、たこ本体の力が弱まることで自然と降りるのかもしれません。タケコプターと同じで使用者の意思が伝わってコントロールしていると思われますが、糸という物理的なつながりがある分、意思だけでなく糸の操作が必要な仕組みになっているはずです。この操作の感覚を習得することが、あげられたこを使いこなす鍵になるでしょう。なお、あげられたこの糸の長さには当然限りがあるはずで、その長さが飛べる最大高度を決めることになります。コミックでは具体的な最大高度の描写はありませんでしたが、市販の凧糸と同程度であれば数百メートルが限界でしょう。タケコプターのように雲の上まで飛べるかは微妙なところです。

安全性に難あり

あげられたこは見る感じ非常に危険なひみつ道具です。浮かんだ体を支えるのは貧弱な糸1本のみで、落下防止装置や吹き飛ばされ防止装置の類があるのかどうかわかりません。通常のたこあげで糸が切れても被害はたこだけですが、あげられたこで糸が切れると人が落下します。これは非常に危険な状況で、高度によっては命に関わる事故になりかねません。

ジャイアンとスネ夫のように、上空で糸が絡まってしまったらどうするのか?という場面での対処法も不明なのです。絡まった糸をほどこうとしてもがいている間に高度が下がったり、体の自由が利かなくなったりと、パニックになる状況が容易に想像できます。

あげられたこ
空でこうなると危険である

出典:ドラえもんカラー2巻「あげられたこ」P133:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

たこあげは広い場所で

たこあげは基本的に障害物のない広い場所で楽しむものです。あげられたこもある程度自分の意思でコントロールできるとはいえ、突風や電線などを考えうる現実的な問題もあるでしょう。特に電線は現代の住宅地に張り巡らされており、糸が絡まったり体が電線に触れたりするリスクは決して小さくありません。

もしあなたがあげられたこを手に入れても、公園などの開けた広い場所で楽しむようにしましょうね。フワフワオビと組み合わせれば体ごと浮かびやすくなってより高く上昇できるかもしれませんし、空とぶじゅうたんをたこの代わりに使えばもっと安定した空中移動ができるでしょう。あげられたこならではの糸を使った浮遊感を楽しみながら、空間ひんまげテープで空間を曲げることで、上空から見えない場所への移動も可能になるかもしれません。見た目のユニークさと未来技術の融合が、あげられたこの最大の魅力といえます。安全に使える環境さえ整えれば、これほど楽しいひみつ道具もなかなかないでしょう。上空から見る景色はタケコプターと変わらないかもしれませんが、糸一本でつながれているというスリル感は、あげられたこならではの体験です。

もし現実にあったら

あげられたこが現実世界に存在したとすれば、空撮や観察、レジャーなど多くの場面での活用が考えられます。現在、上空からの撮影はドローンや有人ヘリコプターが使われますが、あげられたこがあれば人間自身が上空に行って撮影や観察ができます。災害時の被害状況確認や、山岳地帯での捜索活動にも応用できるでしょう。また、スカイダイビングや気球に近い体験を、大きな設備なしに提供できるレジャーとしても需要があるかもしれません。一方で安全性の問題は依然として大きく、保険や規制の整備が必要になるでしょう。航空法との兼ね合いもあり、人が浮かぶという行為にはドローン以上に厳しい規制が適用されそうです。それでも夢の飛行体験を手軽に実現できるという魅力は、多くの人を惹きつけるに違いありません。農業分野での活用も面白い可能性があります。広大な農地の上空から作物の生育状況を肉眼で確認しながら、必要な場所だけ手作業で対処するという精密農業への応用です。ドローンでは得られない人間の感覚を使った観察が、農作物の管理に新しい視点をもたらすかもしれません。あげられたこというシンプルな見た目からは想像できないほど、その応用可能性は広がっています。また、アウトドアレジャーとの組み合わせも考えられます。キャンプ場で夜空を眺めながらあげられたこで上昇し、星をより近くで観察するという体験は、天体観測を新しい次元に引き上げるでしょう。地上で見るよりも少し高い場所から見る夜空は、また違った美しさがあるはずです。安全に使える環境を整えたうえで、創造的な楽しみ方を見つけることがあげられたこの醍醐味といえるでしょう。たこというシンプルな遊び道具が持つ無限の可能性を、あげられたこは改めて教えてくれます。空を飛びたいという人類の根源的な夢を、大掛かりな装置なしに叶えてくれるあげられたこは、夢を実現するための発想の転換というドラえもんの物語の核心を体現した道具ともいえます。のびたでも空高く浮き上がれるという点で、誰でも夢に手が届くという希望を与えてくれるひみつ道具です。

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