1,500種類以上のひみつ道具を操るドラえもんは、かんたんな故障であれば自分で直してしまったりメンテナンスすることがあります。
団子みたいな手で器用に修理・メンテンナンスする様子をご紹介します。
タケコプターの修理はお手の物
ひみつ道具の中でも頻繁に登場する『タケコプター』。
ドラえもんは時間を見つけては自分でタケコプターのメンテナンスをしています。
ドラえもん33巻P123:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
使っている道具はドライバーのようにも見えますが、指のない手で器用に使いこなしていることがわかりますね。
タケコプターは登場する回によって電池式だったり充電式だったり違いがありますが、日々こまめなお手入れをすることで寿命を延ばすことができるようです。
のび太を空から見守ったりネコのミィちゃんとデートに行く時に使ったり、とにかく登場頻度が多いタケコプターを安全に使い続けるためには、ドラえもんのお手入れが欠かせないのでしょう。
大長編のび太の日本誕生P119:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
大長編ではタケコプターのバッテリー切れで一同がピンチに陥ることが定番の流れですが、上のコマのようにドラえもんがお手入れしていても途中で使えなくなるようです。
日常生活とは違い、大長編においては使いっぱなしになることが多いタケコプター。
ラジコンと一緒で、連続使用するとすぐに使い物にならなくなるため、適度に休憩をはさみながらメンテナンスすることが求められるのです。
ひょっとするとドラえもんが使っている道具は、切ったりくっつけたりなんでもできる『万能改造自動ドライバー』かもしれませんね。
修理に1週間手こずる
ドラえもんが自ら修理すると1週間もかかってしまうことがあります。
ドラえもん7巻P60:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これは『電車ごっこ』を修理しているシーン。
プレートに行きたい場所の名前を書き、ドアに貼って開くとその場所に行ける効果があるのですが、しばらく使っていないとニューヨークと入浴を間違えて認識するなど故障してしまうのです。
それをドラえもんが自分で直そうとするのですが、完全に直るまで1週間もかかるというのです。
ドラえもんがそこまで修理にかかりっきりなると、肝心ののび太のお世話が手つかずになってしまうでしょう。
無理に自分で修理しなくても未来の専門業者に出すなどすれば早く解決するかもしれませんね。
ペンキを塗ることもある
ひみつ道具の色が落ちてくるとドラえもんはペンキを塗って対処することがあります。
ドラえもんプラス6巻P60:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
コミックプラス6巻に登場する『初日の出セット』は、いつでもどこでも初日の出を拝むことができる太陽を模したひみつ道具です。
ドラえもんは太陽の模型にペンキを塗って部屋で乾かしていたようなのですが、初日の出など1年に1回しか見る機会がないため色落ちしていたものと思われます。
古くなってしまったひみつ道具も捨てること無く手を入れて再利用する姿は、お財布事情が苦しいドラえもんの様子をよくあらわしていますね。
宇宙船も修理します
ドラえもんはなんと宇宙船ですら自分で修理してしまうのです。
ドラえもん21巻P100:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
お馴染みの『宇宙救命ボート』。
設定した目的地に自動運転で到着するすぐれものですが、着地の際の安全性が全くないため大体故障してしまいます。
かなり大掛かりな乗り物にも関わらず、ドラえもんは1人でこれを修理してしまうのです。
でたらめにいじっているとはいえ、これまで培った修理の経験と勘が生きているようですね。
大長編のび太とアニマル惑星P189:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
宇宙船内部の配線が断線していてもドラえもんなら簡単に直せるのですから優秀なネコ型ロボットといえるでしょう。
異世界の宇宙船もおまかせ
ドラえもんの手にかかれば未知の宇宙船でも直せてしまいます。
ドラえもん19巻P42:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
地球侵略を企てるアカンベーダーから逃げるアーレ姫と家来のR3-D3。姫は運悪く敵に捕まり、命からがら逃げ出したR3-D3は宇宙ボートに乗って地球にやってきます。
着陸の衝撃で壊れてしまった宇宙ボートをドラえもんは何事もなかったかのようにたった1コマで直してしまったのです。
大した故障ではなかったのかもしれませんが、異世界の機械を軽々修理してしまう技術には驚きです。
大掛かりな修理はお手上げ
いくらドラえもんが宇宙船の修理を得意としていても、巨大な宇宙船まるまる修理できるほど専門知識を持ち合わせているわけではありません。
大長編のび太の宇宙開拓史P25:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ロップルくんが乗るカーゴ(宇宙船)は、敵から逃げるため無茶なワープをしてしまいます。
その結果、エンジンの次元振動ヘッドのシャフトがねじれてしまい、ワープ空間に取り残されることになるのです。
とりあえず様子見するドラえもんですが、地球でできた宇宙船ではないロップルくんのカーゴのエンジンの複雑さにお手上げ状態。
この時は結局『タイムふろしき』を使わざるを得ない状況となったのです。
知らない機械は知っている機械に直す
ドラえもんにとって未知の機械であっても、無理やり手を加えて自分の理解が及ぶ機械に変えてしまうこともできます。
大長編のび太と鉄人兵団P102:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
土木工事用ロボットのジュドの脳回路を分解するドラえもん。
さっぱり見たことのない回路が詰まっていたのですが、のび太の助言のおかげで時間をかけてドラえもんは回路を改造することに成功します。
敵のロボットを味方につけてしまったのですから、ドラえもんの功績がなければのび太たちは一瞬で鉄人兵団に負けてしまっていたかもしれません。
ドラえもんにも直せないタイムマシン
手先が器用なドラえもんですが、万能というわけではありません。『タイムマシン』はドラえもんにも修理できないのです。
大長編のび太の恐竜P64:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
黒ずくめの男から攻撃を受け、さらに定員オーバーで走行した結果タイムマシンは故障してしまいます。
ドラえもんはなんとか自分で修理しようと試みるのですが、分解するだけ分解してお手上げ状態になってしまったのです。
さすがに上のコマの状態までバラバラにしてしまうと素人には元通り組み立てることはまず無理でしょう。
細かいパーツも多いですし、修理しているのは海辺の砂浜なので機械の隙間に砂が入ったり潮風に吹かれてさらに故障が進むことでしょう。
ここまで来ると『タイムふろしき』を使うか、専門の修理業者に依頼するしかありません。
タイムマシンの専門業者
ドラえもんカラー作品集2巻P137:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
未来の世界にはタイムマシンの修理業者がいます。
たまにタイムマシンの調子がおかしくなるとドラえもんは業者に修理を依頼しています。
のび太の恐竜で痛い目を見たドラえもんですし、二度と自分で手を出さまいと誓ったのでしょう。
お世話ロボットが何でもかんでも修理していたら未来の世界の修理業者は食べていけませんよね。
餅は餅屋といいますし、専門家に任せたほうが楽ちんで確実なのです。
結論:タイムふろしきでいいんじゃ?
あれこれ修理するドラえもんですが、『タイムふろしき』があれば全て解決してしまうことばかり。
修理が難しいタイムマシンだってタイムふろしき1つで簡単に直ってしまうのです。
でもドラえもんはそんなことはしません。
あれこれ手を尽くし、考え、試行錯誤する大切さをのび太に知ってほしいからこそ、ドラえもんはあえて難しい選択肢を選んでいるのだと思うのです。
時には投げ出してしまうこともありますが、全力でぶつかっていくからこそ見えてくる新しい道があると、ドラえもんは身を持って教えているのではないでしょうか。