花の形をした物から滴り落ちる水滴をかけると、どんな虫からでもきれいな虫の鳴き声が聞こえてくる『虫の声の素』というひみつ道具です。
スネ夫の自慢にうんざり
自慢のコオロギを見せびらかすスネ夫にうんざりするのび太。
ドラえもん4巻「月の光と虫の声」P64:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
話の流れでのび太のいつもの強がりが災いし、その日の夜にきれいな虫の音をのび太の家で聴かせることになってしまいました。
ドラえもんとのび太はタイムマシンで少し昔の世界に行き、たくさん虫が生息しているところから拝借しようと企てます。
しかし、あまりにも美しい虫の鳴き声にうっとりし、生き物をむやみやたらに連れ帰るのは良くないとの結論になり、ドラえもんが取り出したひみつ道具が『虫の声の素』でした。
虫にふりかけるだけ
『虫の声の素』は、どんな虫でもいいので、しずくをふりかけることで、とてもきれいな声で鳴くようになる不思議な効力があります。
ドラえもん4巻「月の光と虫の声」P68:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
コミックでドラえもんは、なんとゴキブリに虫の声の素を使い、のび太の家の庭に撒いたのです。
大量のゴキブリを集めてしずくを振りかけるのを想像するだけで気持ち悪くなりますし、それが家の庭にいるのも考えたくないですよね。
ネズミは苦手なくせに、ドラえもんはゴキブリは平気なんですね。
大都会で欲しいひみつ道具
昨今、土地開発が進んだり、除草剤などの影響で本当に虫が少なくなっています。
田舎にいけばまだまだ虫の声は聴けますが、昔と比べると随分少なくなったという声も聞きます。
秋の風物詩ともいえる虫の声が無くなるのは寂しいですね。
そんなときに『虫の声の素』があれば、昔の良き日本を思い出しつつ、虫の声に浸れるのではないでしょうか。
ときにはのび太たちと同じように何も考えずに虫の声を聴くというのも、今のストレス社会にはいいと思いますね。
ただし、ゴキブリやカメムシといった害虫を使うと後々大変なことになるので、そこは気をつけないといけませんね。
虫の声はランダムか?
『虫の声の素』は、花から出るしずくを虫に振りかけることで、その効果を発揮します。
コミックを読む限り、複数の虫の鳴き声がきこえているようですね。
ドラえもん4巻「月の光と虫の声」P68:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しずくを振りかけられた虫は、ランダムで鳴き声が決まっているのかもしれません。
リラックス効果が期待できる
虫の鳴き声を聴き、風情を感じるのは日本人独特の感情ではないでしょうか。
特に田舎で育った人にとって、夕方から夜にかけて一斉に始まる虫の大合唱は、その鳴き声を聞くだけで昔のころの思い出が蘇ってくる感覚があります。
仕事で疲れたとき、嫌なことがあったとき、虫の鳴き声で癒やされるリラックスタイムがあってもいいかもしれませんね。
虫を捕まえるハードルが高い
もしこのひみつ道具が現実化されたとしても、それを振りかけるたくさんの虫を見つけるのに一苦労するでしょう。
コミックではゴキブリを使っていましたが、現実世界でゴキブリはちょっと無理があります。
どんな虫でもいいということなので、例えばアリの列にしずくをかけたり、草むらに適当にふりかければ地面にいる小さい虫が鳴き始めるかもしれません。