ハート形のカプセルを相手の体に付けてコントローラーを使うと、相手が自分に対して強い友情を感じる『友情カプセル』というひみつ道具です。
友だちが欲しい。でも実は・・・
「ある人と友だちになりたい」
珍しくスネ夫がドラえもんに相談をしています。
仲良くなりたい人がいるんだけど、その人は見向きもしてくれない。友達になれる道具を貸してくれと頼まれたドラえもんは、『友情カプセルとコントローラー』をスネ夫に貸しました。
ところが実はこれ、スネ夫の策略だったのです。
ドラえもん4巻「友情カプセル」P91:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
見てください、上の一コマ。スネ夫の悪意に満ちた顔!
スネ夫は友情と称してドラえもんを自由に操り、他の友達を子分にしようとしたり、自分のためだけにひみつ道具を使おうとしていたのです。
スネ夫の性格の悪さが強調されたストーリー
ドラえもんという最強の友人を手に入れたスネ夫はやりたい放題。
急に態度が偉そうになったり、宿題をロボットにやらせたり、スネ夫が本来持っている性格の悪さが全面に出ているのが特徴です。
ドラえもん4巻「友情カプセル」P96:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
いや、ひょっとすると人間なんてみんなこういうものなのかもしれません。
ふと大きな力を手に入れた時、人はどういう行動を取るのか。
良心に従うのか、欲望のままに動いてしまうのか。
友情カプセルは人間のリトマス紙のような存在なのかもしれませんね。
友情ではなく洗脳
友情カプセルとコントローラーで作り出す感情は、本物の友情ではなく洗脳に近い形といえるでしょう。
まあ、スネ夫は友情というより、ドラえもんを自分の元において、色々と利用したかっただけで、最終的に全て自分に返ってきてますので、因果応報としか言えないですけどね。
ストーリーの中でのび太が「機械を使って友達を作るなんてかわいそうだね」と言ってますが、正にその通りかな・・・と。
ドラえもん4巻「友情カプセル」P91:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ちなみに、ネット上では上の一コマだけが取り上げられ、「のび太だって機械(=ドラえもん)が友だちなのに何を言ってるんだ」とツッコまれています。
でも実はこれ、前後の話の流れをきちんと理解しておけば、正しい意味合いがわかるんですよね。
道具が壊れたらおしまい
友情カプセルの効果が続いている間、対象者はどんなことがあろうと自分の友だちでいてくれます。
ところがカプセルやコントローラーが何かのはずみで故障してしまえば、友情はそこでおしまい。対象者は正気に戻ってしまうのです。
本当の友情は長い時間をかけてだんだん作られていくもののはずですよね。
それを機械の力で作り上げるというのは、なんとも寂しい気がします。
スネ夫はまだ小学生です。心をいれかえ、今回のことを反省し、いい大人に成長してほしいものです。
感情を操るひみつ道具
ドラえもんには人の感情を思いのまま操るひみつ道具がたくさん存在します。
友情カプセル以外にも、
- あいあいパラソル
- キューピッドのや
- 刷りこみたまご
などがありますね。
実は恐ろしい友情カプセル
病的なまでに強い友情を作り上げる友情カプセルは、使い方によっては非常に恐ろしいひみつ道具です。
スネ夫はまだ小学生ということもあり、自分の欲望のままに友情カプセルを使いましたが、例えばこれが世界征服などを企む人が使ったらどうなるでしょうか。
友情カプセルの力で人を思いのままコントロールし、自分に都合のいいことばかりやらせれば、あっという間に恐怖の世界が広がるでしょう。
もちろん友情カプセルの故障などのリスクもつきまといますが、そこは時間との戦いでしょう。
集団で一致団結し、世界征服の野望に向かって突き進めば、いとも簡単に世界の秩序は乱されます・・・。
あぁ恐ろしい。