特に理由もなく、ある人に対して不快感を感じることってありますか?
今回紹介するひみつ道具『ムシスカン』を飲むと、あらゆる人から嫌われてしまい、不快感を与える人になることができますよ。
ムシスカンとは?
飲むと誰からも怒られなくなる『ニクメナイン』と対になっている薬で、飲むと逆に誰からも嫌われてしまう放射線を身体から出す効果を持っています。
対になっているだけあり、見た目がニクメナインと大変良く似ているので、間違えて飲んでしまう危険性があります。
コミックでの使われ方
ニクメナインを飲んで誰からも怒られたり嫌われたりしなくなったのび太は、調子に乗ってみんなのやったイタズラを代わりに謝ってあげるという約束をしてしまいます。
自分が代わりに怒られてあげようというのですから、いかにのび太の心が広いかわかる言動ですね。
しかし手持ちのニクメナインが切れてしまったので、ドラえもんに追加を貰おうと家に戻りますが、ドラえもんはのび太が仕掛けたイタズラで気絶したまま。
しかたなく自分でポケットに手を突っ込んでニクメナインを取り出して、大量に飲んでしまいました。
その途端、ママと顔を合わせただけで「見てると腹が立つ」や「傍にいるだけでシャクに障る」という理不尽な理由でつねられたり殴られたりします。
ドラえもん8巻「ニクメナイン」P93:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
その後も道を歩いているだけで、石をぶつけられたり犬にかまれたりと何かとおかしなことが続くのび太。
そこへ目を覚ましたドラえもんがやってきて「君が飲んだのは嫌われるムシスカンだぞ!」と告げます。
見た目が似ているだけあり、誤ってムシスカンを飲んでしまったというわけですね。
存在理由が不明
果たしてムシスカンは一体何のために存在しているのでしょうか?
ニクメナインは非常に使い勝手のいい薬でしょうが、ムシスカンを好き好んで使う人はそうそういない気がします。
逆に、陥れたい人に対してこっそり使う(飲み物に混ぜる、食べ物に混ぜるなど)ことで相手より優位に立ちたいという考えを持つ人はいいのかもしれませんが・・・。
ドラえもんのひみつ道具もたまにわけがわからないですね。
のび太としずかちゃんを引き寄せるムシスカン
ムシスカンはコミックス32巻『しずちゃんにさよなら』で『虫スカン』という名称で再登場しています。
この話では先生にひどく叱られ、将来に絶望したのび太が、未来のお嫁さんになるしずかちゃんが不幸になってしまうと考え込み、『虫スカン』を飲むことで、しずかちゃんからわざと嫌われようとします。
相手のことを考えたのび太なりの行動だったのですが、ちょっと軽率だったかもしれません。
どうやら『虫スカン』は『ムシスカン』よりもパワーアップしているらしく、親友のドラえもんや肉親のママですら傍にいれらないほどの嫌悪感の放射線を出すのです。
のび太本人にも強い副作用が跳ね返ってしまい、瀕死のダメージを負ってしまいました。
当然しずかちゃんも逃げ出そうとしますが、家の中からのび太が助けを求める声を聞き、自ら危険な場所へと入り、命をかけてのび太を介抱します。
ドラえもん32巻「しずちゃんさようなら」P186:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
この時はまだ恋愛感情でなく友情でしかないしずかちゃんですが、それでものび太のために嫌悪感の中を必死で飛び込んでくれたという、何か将来的なものを感じさせるエピソードです。
ムシスカンに似た道具
コミックス22巻『ジャイ子の恋人=のび太』に登場する『スカンタコ』があります。
タコのような形状で、スミを吹き付けられることで誰からも嫌われてしまう効果があります。
「ジャイ子が自分に恋愛感情を抱いた」と勘違いしたのび太が、ジャイ子に嫌われるために使いました。