過去になくした物を実現化することができる『なくし物とりよせ機』。
記憶の中から引っ張ってくるので、自分が覚えていないはるか昔の懐かしいものに出会うことができます。
あの日あの時あのダルマ
ママの指輪を無くしてしまい、怒られることを恐れたのび太はテスト勉強に手がつきません。
『なくし物とりよせ機』を使うことで無事に指輪は見つかったのですが、ここでのび太の悪いクセが出ます。
子どもの頃の懐かしいおもちゃを取り出すたび、自由に暮らしていた幼い頃を思いだし、生きることさえ嫌になりはじめるのです。
ドラえもん18巻「あの日あの時あのダルマ」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そんな時に目についたのが、優しいおばあちゃんが昔くれたダルマ。
転んでも転んでも一人で起き上がるダルマになるとおばあちゃんとかたく約束したはずののび太。
眼の前に広がる辛い現実に立ち向かうため、そしておばあちゃんとの約束を守るため、のび太は一人で立ち上がって成長を見せるのでした。
ドラえもん18巻「あの日あの時あのダルマ」P131:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
無意識の記憶でもだいじょうぶ
自分が覚えていない過去の記憶だとしても『なくし物とりよせ機』はちゃんと効果があります。
いつ、どこで、何を無くしたか覚えてなかったとしても、「そういえばこんな物あったよね!」と驚くこと間違いなしです。
思い出は自分を成長させる
のび太にとっておばあちゃんは特別な存在です。
事あるごとにのび太の成長を手助けするのはおばあちゃんとの思い出で、辛いことがあってもおばあちゃんとの約束を守るためならば、のび太は悠然と立ち向かうことができます。
『なくし物とりよせ機』でダルマが出てきたのは、のび太にとっては無意識のことでした。
ドラえもん18巻「あの日あの時あのダルマ」P130:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しかしそれは彼に気づきを与え、目を覚まさせ、成長させるものでした。
今後のび太はどんな困難な目にあったとしても、ダルマとおばあちゃんの思い出があればきっと乗り越えていくことができるでしょう。