クレヨンを使って絵を描くと、対象物が絵そっくりになってしまうひみつ道具が『そっくりクレヨン』です。
絵が上手になるわけではありません。
被写体が、自分が描いた絵のとおりに形を変えてしまうのです。ややこしいですね。
ドラえもん3巻「そっくりクレヨン」P100:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
絵が下手なのび太
犬の写生をするのび太、スネ夫、しずかちゃん。
完成した絵を比べてみると、明らかにのび太が描いた犬が幼稚で下手くそでした。
ドラえもん3巻「そっくりクレヨン」P98:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
友だちから大笑いされるし、ドラえもんからは猫だと勘違いされるし、踏んだり蹴ったりなのび太。
そこでドラえもんが出してくれたのが『そっくりクレヨン』です。
絵と同じ形になる対象物
そっくりクレヨンで絵を描くと、対象物が絵そっくりに変形してしまいます。
顔の形や目の位置など、ありとあらゆるパーツが変形してしまうのですから、当の本人にとってはいい迷惑ですよね。
ドラえもんの絵のレベルも相当ひどい
ところで、ドラえもんがサンプルで描いた絵ですが、のび太の絵を笑えないぐらいに下手っぴな絵ですよね。
ドラえもん3巻「そっくりクレヨン」P100:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これ、壺だそうです。もう少し似せて描くことはできなかったのでしょうか・・・。
いや、ひょっとするとのび太のことを考え、あえて下手くそな絵を描いただけなのかもしれませんね。
そうです、ここにドラえもんののび太に対する深い愛情があるというわけなのです(たぶん)。
いつ変形するか不明
そっくりクレヨンを使うと姿・かたちが変形してしまいますが、どの時点で対象物が変形し始めるかは明確にされていません。
例えば誰かの顔を描く場合、りんかくや目を描くそばから顔が変形するのか、それとも顔として完成して一気に変形するのか、詳しいことが明らかになっていないのです。
本人にとってみれば、ウネウネと自分の顔が動くきみょうな感覚をおぼえながら完成を待つのは、相当つらいことでしょうね。
いつまで効果が続くか不明
変形した姿・かたちがいつまで続くかも明確にされていません。
絵が残る限り元に戻らない可能性もあるし、一定の時間がたつと元に戻る可能性も考えられます。
ドラえもんのひみつ道具は基本的に一過性の効力であることがほとんどで、効果が永続するものは稀です。
見た目が大きく変わってしまうそっくりクレヨンは、普段の生活に与える影響が大きなひみつ道具ですし、一生そのままということは考えづらいですね。
そっくりクレヨンの使いみち
絵の上手な人がそっくりクレヨンを使うと、このひみつ道具の力を最大限に引き出すことができそうです。
理想の顔写真を用意し、それそっくりに描いてもらえばいいんです。あっという間にイケメン、イケジョに大変身!
ただし、最近の萌え絵のようなアニメチックな顔にしてしまうと、実際の体との組み合わせが違和感たっぷりになってしまいますよね。
コスプレする時に顔を一時的に変え、キャラクターになりきる目的があれば、そっくりクレヨンは大活躍しそうです。
子どもが喜ぶひみつ道具
あくまでも顔が戻る前提の話ですが、子どものおもちゃとして使うととても喜ばれそうですね。
なにせ自分で書いた通りに目の前の人の顔が変わっちゃうんですから、子どもからしてもこんなビックリすることはないでしょう。
調子にのってグチャグチャな顔になってしまう気もしますが、どうせ元の顔に戻るから大丈夫という安心感があれば、一時的な変形ぐらいは我慢できそうです。
ちゃんと戻れば・・・ですけどね。
実現の可能性は低いかも
どらだけ技術が発達しても、そっくりクレヨンのような技術は開発されない可能性が高いと思います。
そっくりクレヨンと対象物の間に特殊なコードが繋がれているわけでもなく、一体どういう原理で顔が変形しているか不明です。
相手に触れることなく、痛みを感じさせることなく顔を整形する技術など到底考えられません。
あくまでもマンガということで、空想のひみつ道具を楽しんでおきましょう。