引き金を引くと、銃口から万国旗や紙吹雪、うさぎなどが飛び出す不思議なピストル『手品用ピストル』です。
まさかこんな細い銃口からたくさんのものが飛び出すなんて!と驚かれること間違いなしです。
無人島で意味のない手品
親とケンカをし、家を飛び出したのび太。
ドラえもんのひみつ道具を拝借し、向かった先の無人島で生活することを決めました。
その1つが『手品用ピストル』でした。
1つ1つ道具の効果を確かめるのび太でしたが、自分以外だれもいない無人島で手品をやっても意味がないという虚しい結論にたどり着くのです。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P84:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
宴会などで披露すれば盛り上がりそうですが、状況が状況なだけに全く喜べないのび太が印象的な一コマです。
少ない娯楽の1つ
のび太が生活をしていた無人島は、娯楽と呼べるものが皆無です。
そんな中、見せる相手がいないとはいえ、ピストルから盛大に発射される豪華な紙吹雪などはのび太を楽しませたことでしょう。
射撃を得意とするのび太ですが、弾が出ないピストルなので才能を発揮するタイミングがありませんね。
貴重な食料源か?
過酷な無人島生活で欠かせないのは食料です。
島に自生している木の実がありましたが、それだけで10年も生き延びることはできません。
そこで手品用ピストルに注目します。
コマをよく見てみると、ピストルからうさぎとハトが飛び出していることがわかります。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P84:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そう、生きた動物=食料が目の前に現れたというわけなのです。
コミックに細かい描写はありませんが、おそらくのび太は事あるごとに手品用ピストルを打ち鳴らし、うさぎやハトを出現させては食料にしていたと考えられます。
ピストルが何回つかえるかは不明ですが、そうでもしない限りこの島でのび太が食料を手に入れる手段がないもの事実なのです。
飾り付けとしても利用可能
ピストルから飛び出した万国旗は、味気ない無人島生活を彩る飾りとしても使われています。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P87:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
おそらく木の枝にくくりつけ、沈んだ気持ちを盛り上げる役目をしていたのでしょう。
想像してみてください、自分以外だれもいない無人島で10年間すごす様子を。
きっと絶望したくなるでしょうが、その気持ちを支えるための数少ない材料がこの万国旗だったのでしょうね。