カサイラズ

吹きかけるだけで雨を完全に弾く——『カサイラズ』はその名のとおり傘をいっさい必要としなくなる画期的なひみつ道具です。中に含まれたガスを体に吹きつけると水を寄せ付けなくなり、効果は1日間持続します。雨の日の外出が憂鬱に感じる人なら誰もが欲しいと思う実用性の高さが魅力です。傘を持ち歩く手間もなく、突然の雨にも即座に対応できるというのは、現実世界でも十分に需要がある発明です。

未来の雨はこうやってしのぐ

雨の日なのに傘がほとんど家にない困るのび太。ところがドラえもんは傘もさせず外でネコとおしゃべりしているではありませんか!傘なしで外に出ているドラえもんを見て不思議に思ったのび太が近づいてみると、そこには秘密がありました。

カサイラズ
全く雨に濡れていないようだ

ドラえもんカラー2巻「カサイラズ」P12:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

実は『カサイラズ』を使っているため雨が体を避けていて、のび太もさっそく自分の体に吹き付けます。傘もなしに外を歩けるという感覚は、雨の日が多い地域に住む人にとっては特に魅力的に映るでしょう。ただしのび太は後先考えずに使ったため、帰宅後にお風呂のお湯もはじかれてしまい、みんな困ってしまったのでした。便利な道具でも使い方次第でトラブルになるという、ドラえもんエピソードでよく見られる展開です。

カサイラズ
これは困った

ドラえもんカラー2巻「カサイラズ」P17:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

のび太のとりあえず使ってみるという行動習慣が如実に出ています。道具の副作用を事前に把握せずに使い始めるのは、のび太の愛すべき特徴であり悲劇の種でもあります。お母さんが怒ったのも当然で、家族全員がお風呂に入れないという状況は笑えるようで実際にはかなり深刻です。この場合、効果が切れる翌日まで待つしかないというのがまた困ったところです。

これはぜひ欲しい道具

『カサイラズ』はその名の通り傘を全く必要としなくなるひみつ道具です。

中に含まれているガスをシュッと吹くと水を寄せ付けなくなるのです。操作が非常にシンプルで、スプレーを一吹きするだけというのはひみつ道具の中でもとりわけ手軽な部類に入ります。使い忘れも起こりにくく、雨が降ってきた時に素早く対処できるのも魅力のひとつです。

効果は1日間。水の中に入っても全く安心です。

カサイラズ
川の断面図

ドラえもんカラー2巻「カサイラズ」P17:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

水の中に入っても安全という点は、水泳や水遊びの場面でも応用が利きそうです。水着に着替えることなく水に飛び込んで、体を濡らさずに泳げるというのは一種の超能力に近い感覚があります。ただしそれが実際に泳ぐことを意味するのか、水面を歩けるのかは描写から判断しにくいところです。水を弾くというのは表面に膜が張られるようなイメージですが、泳ぐとなると水の抵抗も変わってきそうで、その辺りの仕組みが気になります。

デメリットも考慮しておくべき

水を1日間寄せ付けなくなるということは、お風呂のお湯や手洗いの水、さらには料理で使うお水や飲み水まで弾いてしまう恐れがあります。

本来その点も考慮して設計されておくべきものですが、コミックでの描写を見る限り日常生活にも支障が出ています。飲み水が弾かれると喉が渇いても水分補給ができなくなるという、シャレにならない問題も生じます。夏場や運動後にこの状態になってしまうと、熱中症のリスクすら出てきてしまいます。

もし本当に飲み水までガードしてしまうような仕様なら命にかかわる事態です。効果の範囲をもう少し限定的に設計できれば、日常的に使える非常に便利なひみつ道具になりそうです。道具の機能を外部からの水に限定し、体内の水分には影響しないという設計であれば完璧です。

持続時間の変更が求められる

『カサイラズ』の有効期限は1日ですが、これを用途に合わせて自由に変更できるようになれば使いやすくなりそうです。

外出中の短い時間に設定すれば雨の外出でも困りませんし、日常生活への影響もほとんどないでしょう。また特定の状況、たとえば洗い物の水や汗などは通すが雨だけ弾くという細かい設定ができるようになれば、実用性は飛躍的に上がります。現代のスマートデバイスのように、時間や強度を細かく調整できるモードがあれば理想的です。

未来の技術を取り入れたひみつ道具らしく、もう少しインテリジェントな動作をしてくれると助かりますね。1日という固定の効果時間が少し大雑把な設定に感じられますが、それもまたコミック的な誇張表現として楽しめる部分でもあります。

雨の日グッズが待ち遠しい

『カサイラズ』のみならず、雨の日を快適に過ごせる道具は現実世界でも早く開発してほしいですね。

傘が不要になれば何百年も続く傘の歴史をガラリと変えてしまう発明となるのは間違いありません。両手が塞がらない、傘を忘れる心配がない、急な雨にも即対応できるという三拍子揃った道具は現代社会でも十分需要があります。特に自転車を使う人や、荷物が多い時には傘を持てないという悩みを解決する手段として、この道具のコンセプトはそのまま現代の課題に応えるものです。

バリヤーポイントを使う手もありますが、性能的にこちらのほうが明らかに上なので、まずは雨除けが出来上がって欲しいところです。

雨への対処法いろいろ

雨の日を快適に過ごす道具といえば、お天気ボックスで天気そのものを変えてしまうという発想もあります。雨を降らせたり止めたりできるなら、そもそも雨の心配をしなくて済みます。根本的な解決という点では天気を操る道具の方が強力ですが、他の地域への影響や天候変化のリスクを考えると大規模な使用には慎重さが必要です。個人の雨対策という用途に限れば、『カサイラズ』の方が周囲への影響がなく使いやすいといえます。

同じく台風の卵のように天候を人工的に操る道具が多いドラえもんの世界では、雨そのものを制御するアプローチと濡れないようにするアプローチの両方が揃っています。また、雨そうじ機のように降った雨を文字通り片付けてしまう道具もあり、雨への対処法のバリエーションの豊富さには改めて驚かされます。快適に雨の日を過ごすには、状況に応じてこれらをうまく使い分けるのが理想かもしれません。自分だけが濡れなければいい場面では『カサイラズ』、グループ全員を守りたい場面ではバリヤーポイント、そもそも雨を降らせたくない時はお天気ボックスという使い分けが考えられます。ひみつ道具ひとつをとってみても、どれが最適かは状況次第——そういった道具の使い分けを考えるのも、ドラえもんを読む楽しさのひとつです。生活の不便をひみつ道具で解消しようとする発想は、現代の技術開発の考え方とも重なります。雨に濡れたくないという日常のちょっとした不満から生まれたひみつ道具が、実は社会全体を変えてしまうかもしれない発明の芽を持っている。そういう視点でドラえもんのひみつ道具を眺めると、また違った面白さが見えてきます。

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