殴られてもへっちゃら!きずグスリつき自動まきほうたいがあれば、ボロボロの怪我を自動的に手当てしてくれます。従来の自動まきほうたいをさらに進化させた複合版道具です。
殴られる前提の道具
ジャイアンとケンカするための道具を探してもなかなか見つからないドラえもん。もうこうなりゃヤケだということでのび太が怪我する前提のひみつ道具きずグスリつき自動まきほうたいを進める始末。
ドラえもんプラス2巻「大きくなってジャイアンをやっつけろ」P133:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
どうあがいてものび太がジャイアンに敵うわけがないと悟った2人は、未来から大きくなったのび太の連れてくることにしたのでした。
コミックの流れとしては、このきずグスリつき自動まきほうたいが活躍する場面は直接描かれていませんが、ドラえもんがのび太のためにこれを選んだという経緯が印象的です。まるで最初からのび太がボコボコにされることを想定しているかのような、ある意味シビアな現実認識がドラえもんらしいといえます。
1人でできるもん
ジャイアンに殴られても大丈夫、きずグスリつき自動まきほうたいがあれば怪我を自動的に手当てしてくれます。きずグスリもついているので早く治りますし、ボロボロで動けなくなっても安心ですね。
自分で怪我の手当てをするのは意外と難しいものです。腕や背中の傷には手が届きにくいし、痛みで動けない状態では包帯を巻くことすらままなりません。そんな時に自動でやってくれる道具があれば心強いです。
似たような発想の道具として自動まきほうたいがコミック7巻に登場しています。今回のきずグスリつき自動まきほうたいはそれの進化版といえるのではないでしょうか。
なにせ今回は傷グスリもついているわけなので、いろいろな効果が合わさった複合版です。のび太が怪我をしてもこれで安心というわけですね。
自動まきほうたいの進化版
コミック7巻に登場した自動まきほうたいに傷グスリ機能が追加されたのがこの道具です。ひみつ道具の世界でも「アップデート版」が登場するのはなかなか面白い発想です。
現実世界でも医療技術は日進月歩で、自動縫合ロボットや傷の状態をセンサーで検知して最適な処置を行うスマート絆創膏の開発が進んでいます。22世紀にはきずグスリつき自動まきほうたいのような道具が当たり前になっているかもしれません。
ドラえもんがコピーロボットや宿題をやるロボットなど多くの自動化道具を持っているように、22世紀は面倒な作業を全て自動でやってくれる時代なのでしょう。体の手当てまで自動化されているというのは、なんとも頼もしい未来です。
スポーツや冒険にも活用できる
きずグスリつき自動まきほうたいはケンカの場面だけでなく、スポーツや野外活動でも大活躍するはずです。山登りや川遊びで転んで怪我をした時、すぐに自動で手当てしてくれれば安心して活動できます。
特に子どもたちの外遊びには心強い味方です。のび太のようにしょっちゅう怪我をする子どもでも、きずグスリつき自動まきほうたいがあれば親も安心して外に送り出せるでしょう。
また、スポーツ選手がトレーニング中に怪我をした場合でも、すぐに適切な処置をしてくれるため競技復帰までの時間を短縮できます。ドラえもんのビッグライトやスモールライトのように、大きさを変えることで傷の大小に関わらず対応できればさらに理想的ですね。
冒険の場面でも、この道具はかなり心強い存在になります。山道で転んだ時、川遊びで足を切った時、暗い場所でぶつけた時など、子どもだけで行動していると大人の助けをすぐに呼べない場面は少なくありません。きずグスリつき自動まきほうたいがあれば、まず応急処置だけはその場で済ませられます。
もちろん、これがあるから無茶をしていいわけではありません。むしろ「怪我をしても治せる」という安心感が強すぎると、のび太のように危ない勝負へ突っ込んでしまう危険があります。道具としては医療用なのに、エピソード上ではケンカの前準備として出てくる。このズレが、笑えるようで少し怖いところです。
傷の深さを判断できる?
きずグスリつき自動まきほうたいが実際に使われる場面は描かれていないため、どの程度の怪我まで対応できるのかは不明です。単純な切り傷や打撲には対応できそうですが、骨折や内臓損傷のような重篤な怪我には別途対応が必要でしょう。
22世紀の医療技術が組み込まれているなら、傷の深さや状態をセンサーで自動判断し、必要な処置を選択する機能もあるかもしれません。表面の傷だけでなく、内部の怪我も検知できれば完璧ですね。
ドラえもんの判断が妙に現実的
この道具が面白いのは、ドラえもんが「ジャイアンに勝つ道具」ではなく「負けた後に手当てする道具」を出している点です。普通なら力を強くする道具や相手を止める道具を探しそうなものですが、ドラえもんはのび太の運動能力や度胸をよく知っています。勝ち筋を作るより、負けた時の被害を減らすほうが現実的だと判断したのでしょう。
のび太にとっては少し失礼な提案ですが、読者から見るとかなり納得できます。ドラえもんは甘やかすだけの保護者ではなく、のび太の弱さも含めて見ている存在です。だからこそ、きずグスリつき自動まきほうたいは単なる治療道具ではなく、ドラえもんとのび太の関係性がにじむ道具にもなっています。
応急処置と治療の境界
現実の医療でも、怪我をした直後に何をするかで回復のしやすさが変わります。止血、消毒、保護、固定といった基本的な処置をすばやく行えれば、その後の悪化を防ぎやすくなります。きずグスリつき自動まきほうたいは、その一連の流れを一人でも実行できるようにした道具だと考えられます。
ただし、どんな怪我でも完全に治す万能薬ではなさそうです。包帯を巻くという性質上、外傷の保護が中心で、骨折や脳しんとう、内臓へのダメージまでは別の医療道具が必要になるでしょう。未来の道具であっても、まずは応急処置、重い怪我は専門的な治療へつなぐという役割分担があるはずです。
いずれにせよ、殴られることを前提に道具を選ぶという発想が何ともドラえもんらしく、そのドタバタ感がコミックの魅力の一つです。復元光線が壊れたものを元に戻すように、きずグスリつき自動まきほうたいは傷ついた体を元に戻してくれる、頼もしい相棒といえるでしょう。
ケンカを肯定しないところが大事
この道具はケンカの文脈で出てきますが、だからといって「殴られても治せるから大丈夫」という話ではありません。むしろ、怪我を前提にしなければならない時点で、のび太がジャイアンに正面から挑む作戦には無理があります。きずグスリつき自動まきほうたいは、ケンカに勝つための道具ではなく、無謀な行動の危うさを笑いに変える道具なのです。
読者としては、便利さに感心しながらも、できればこれを使う状況にならないほうがいいと感じます。怪我をした後の手当てより、怪我をしない工夫のほうが大切です。そこまで含めて考えると、この道具は医療技術の未来だけでなく、のび太の行動の未熟さも浮かび上がらせています。
一家に一つあると安心な未来道具
とはいえ、日常の応急処置道具としては非常に優秀です。子どものいる家庭、部活動の現場、キャンプ場、災害時の避難所など、すぐに医師へつなげない場所では大きな助けになります。自動で包帯を巻き、薬まで塗ってくれるなら、医療の知識が少ない人でも初動を誤りにくくなるでしょう。
ドラえもんのひみつ道具には、夢のようなものと現実に欲しくなるものがあります。きずグスリつき自動まきほうたいは後者に近く、派手さはないけれど実用性は抜群です。のび太のように転びやすい人だけでなく、誰にとっても頼れる救急セットになりそうです。




