針金状のひみつ道具。携帯電話の充電ケーブルほどの太さの針金状のひみつ道具『ここほれワイヤー』。
ぐるぐる巻きにしており、長さは数十mはあり、地下に埋まった探したいものを探し出すことができます。
どこまでの深さのものを探すかは、探したい人が針金をこすることにより深度を設定することができます。
こすればこするほど深いところまでの探索が可能。
のび太の失敗
空き地に埋めた金属パイプの位置を、ダウジングを駆使して見事に言い当てたジャイアン。
そのことを信じられないのび太は、自分のなけなしのお小遣い100円を地中に埋めてジャイアンに探してもらうことにしました。
ドラえもん5巻「地底の国探検」P99:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
結局、100円では小さすぎて探せないとジャイアンに言われてしまい、今月のお小遣いを失い、ドラミちゃんに泣きついたのび太でした。
世紀の大発見?
ここほれワイヤーのおかげで無事100円を見つけ出したのび太ですが、ここほれワイヤーを宝探しに使うことを思いつきます。
真面目なドラミちゃんの静止を振り切って探していると、なんと今まで見たこともないような複雑な反応をみせるここほれワイヤー!
ドラえもん5巻「地底の国探検」P101:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
何かの遺跡のような、地図のような形を示すここほれワイヤーの反応を見て、ドラミちゃんもいても立ってもいられなくなり、のび太と一緒に地中探検に向かうことになりました。
ダウジング
ここほれワイヤーのモデルになっているのは、いわゆるダウジングといわれる手法です。
昔から地下水脈や地中の鉱脈を探すのに使われていた歴史があり、一説には弘法大使(空海)も井戸を探すのに用いたとか。
現在は金属探知機やGPSなどがその役割にとってかわりましたが、効率の良い探索機器ができる前に用いられていた方法がダウジングでした。
この手法の原理や科学的根拠については諸説あり、物語の本質とは離れてしまうためここではあえて触れないことにしますが、本作品のできた時代の子供たちにとっては、大変な興味を駆り立てられたことは言うまでもありません。
ダウジングとの違い
ここほれワイヤーとダウジングは似ていますが、ここほれワイヤーが決定的に優秀な点として、
- かなり深い地下までの捜索が可能
- 「ピョコ」という発見音および発見地点を矢印でお知らせする機能あり
- 発見した目的物の形状を表示することでお知らせが可能
ということがあげられます。
使う上での注意点
便利に見えるここほれワイヤーですが、冷静に考えてみると、注意しておくべき点がいくつかあります。
深さの調整が難しい
ワイヤーをこすればこするほど、深い地下の探索が可能になりますが、深さを自分で思い通りコントロールすることはできません。
ドラえもん5巻「地底の国探検」P103:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太が一生懸命こすった程度で、日本の裏側に位置する国で隠された地下文明の遺跡を見つけてしまったわけなので、こすりかたにはコツが必要なようです。
深さがわからない
のび太は地球の裏側まで掘りましたが、もしここほれワイヤーが現代で開発され、実用化された場合、我々はどうやって地球の裏側まで掘り進められるのでしょうか。
ドラミちゃんは『地底探検車』を持っていたため、ラクラク掘ることができましたが、逆にいえば、そういう移動式の掘削機がない限り、ここほれワイヤーで見つけた地下の埋蔵物まで辿り着くことが困難なケースが想定されます。
スコップで掘って事足りる深さであればいいですが、何キロも掘り進めるのは人間の力では限界がありますよね・・・。
宝探しにうってつけ
のび太がコミックで実践したように、ここほれワイヤーには宝探しの夢が広がります。
未だ人類が見つけ出せていない古代の遺跡や宝物、それこそ埋蔵金のように隠し財宝がザクザク見つかる可能性もありますよね。
ぜひ実現に向けて頑張ってほしいものです。