光線じゅうはSFなどではお馴染みの武器ですが、ドラえもんの世界には最も縁の遠いアイテムですが、護身用として登場することはあります。
そんなひみつ道具『光線じゅう』を紹介します。
光線じゅうの本編での使われ方
夏休みの宿題をやるべく、タイムマシンで室町時代へと旅立ったドラえもん、のび太、バケルくん。
しかしそこは恐ろしい鬼が暴れまわり、人々はみな鬼に怯える毎日を過ごしている世界でした。
色々とあって、鬼と間違われたドラえもん一行は、暴徒と化して襲い掛かる村人たちから逃げるため、なし崩し的に鬼ヶ島へと船で向かう事になってしまいます。
空想の生き物の鬼が実在して人々を襲っている島ですから、ドラえもん達も光線じゅうなどで武装して島の中を探索します。
突如あらわれた鬼に驚く一行ですが、実は鬼ではなく、船に遭難してしまったオランダ人だということがわかりました。
結果として使われなかった
ドラえもん達が鬼ヶ島に乗り込んだ途端、物語も一気にシリアスになり、登場する武器もちょっと物々しくなります。
その中の一つが『光線じゅう』でした。
本編中で使われなかったのでその威力は不明ですが、大長編などでお馴染みの『ショックガン』のように気絶するだけという注釈が入らないあたり、本当に殺傷能力がある可能性が考えられます。
結果的にはドラえもんのネズミ嫌いが功を奏して鬼を退治したため使われることはありませんでしたが、のび太たちから「なんてあっけない鬼退治」と呆れ返られてしまいます。
ドラえもん9巻「ぼく、桃太郎のなんなのさ」P186:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
雑誌企画だったドラえもんとバケルくん
この話では、別の藤子作品である『バケルくん』から主人公のバケルくんがゲスト出演しています。
しかし、実はこれ当時の小学四年生の特別企画で、ドラえもんと同じく連載作品であったバケルくんとのコラボ企画「ドラとバケルともうひとつ」で作られたお話です。
コラボ内容は漫画だけでなく、藤子先生によるクイズコーナーや絵物語、藤子先生原作の少女漫画など盛りだくさんで、今にしてみれば贅沢にも程がある企画です。
ちなみにこの『ドラとバケルともうひとつ』は大全集の20巻に収録されています。
子守ロボットが持つには強力すぎる?
ドラえもんは二十二世紀の子守ロボットとして知られていますが、光線じゅうのような恐ろしい武器を持つにはやや相応しくないかもしれません。
護身用ということであれば大長編でお馴染みの『空気砲』や『ひらりマント』があれば十分な気もしますし、明らかに相手を傷つける系の道具がポケットからゴロゴロ出てくるあたり、危険な香りが漂います。
未来の世界では法が改正され、国民とロボットは銃の携帯が許されているのかもしれませんね。
光線じゅうに似た道具
光線じゅうと同じぐらいの物騒さ加減でいえば、コミックス6巻に登場する『ジャンボガン』や『熱線銃』がこれの系譜ではないかとおもわれます。
おそらくドラえもんの道具の中で唯一殺傷能力について解説された武器でしょう。