一見使いみちがないように見える道具でも、アイディア次第で生まれ変わります。
『暗くなる電球』もそんなひみつ道具の1つ。
のび太の冴え渡るアイディアのおかげで、見事に活躍した珍しい一品です。
ドラえもんですら使いみちを悩む道具
数あるひみつ道具を使いこなすドラえもんですら使いみちがわからないという『暗くなる電球』。
その名のとおり、点けると暗くなる電球なのです。
ドラえもん10巻「夜を売ります」P63:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
電球といえば光で周辺を明るく照らす目的がありますが、暗くなる電球はその真逆。暗くしてしまうのです。
数百種類の道具をつかいこなすドラえもんも、さすがにこの電球は使えないだろうと決めつけていたのです。
のび太のアイディア
そんな様子を見たのび太が提案したのが『夜を売る』というもの。
暗い空間へのニーズは必ずあるといい、パパや受験生、赤ちゃんを寝かしつけるお母さんなどに売り込みにいくのです。
いつもはグズでノロマが代名詞ののび太ですが、ひみつ道具を柔軟に使いこなす頭の回転の速さと柔軟さは誰にも負けません。
結果的に暗くなる電球は大人気となるのですが、のび太の商魂たくましい様子には驚かされるばかりです。
暗くなる電球の使いみち
ストーリーの中で紹介された使いみちとして、
- 昼寝
- 勉強
- ビデオ上映会
- 赤ちゃんの寝かしつけ
- カップルの雰囲気作り
- 強盗(!)
が紹介されていました。
ドラえもん10巻「夜を売ります」P65:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
明るい日中で暗い空間を欲しがる人はたくさんいるのです。
もし『暗くなる電球』が本当にあれば、現代でも欲しがる人はたくさんいると思われます。
個人的には作業用の雰囲気作りとして使いたいところ。
暗い空間のほうが集中できるため、とても便利そうです。
ワット数で暗さを調整
暗くなる電球はワット数(W)を上げるほど暗さが増します。
昼寝用だと60Wが最適のようで、用途に応じて電球の種類を選ぶことができます。
ストーリーの最後で強盗が夜を購入しますが、彼の周辺は真っ暗になり、人物の見分けがつかないほどになっています。
ドラえもん10巻「夜を売ります」P66:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
かなりワット数の高い電球を使っていると思われますが、このように完全に身を隠す目的としても使えるということですね(もちろん強盗はダメですよ)。
頭を悩ませる動物園
夜行性の動物の生態を見ることができる動物園では、お客さんが訪れる昼間の時間をわざと室内を暗くして動物を展示しています。
ほら、コウモリの部屋なんかは薄暗い空間が広がっていますよね。
動物にとっては真っ暗な空間でも平気なんですが、そうすると人間が全く見えなくなってしまいます。
そのため、光の強さや位置を計算し、動物にとって刺激が少なく、人間が鑑賞できるバランスの取れた明るさを人工的に作り出しています。
もしこんな場面で『暗くなる電球』があれば、少しは現場の悩みを解決できる糸口になったりするのでしょうか?