コミック第4巻「海底ハイキング」に登場する『寝ぶくろ』。
快速シューズやコンクフード、通信機などと一緒に、ハイキングセットの一つとしてドラミちゃんから渡されるひみつ道具です。
海底で眠るための装備
のび太が日本からサンフランシスコまでの太平洋を横断する大冒険に出ますが、横断には約1ヶ月もかかるため、途中の海底で眠るために使われたのが寝ぶくろです。
普通の寝ぶくろと違い、深海でも使えるのが特徴です。
寝ぶくろの周囲にはトゲがついていて、見た目も毒々しい色をしているため、サメなどの外敵から身を守ってくれる効果があります。
海流で流されないようにアンカー(イカリ)も付いているので、寝ている時でも安心です。
見た目は地味だが効果絶大
コミックでは1コマだけ登場する寝ぶくろ。
海底ハイキングのきらびやかさとは対象的に、地味な役割しかない印象があります。
しかし、よく考えてみればのび太はたった1人で真っ暗な深海にいるのです。
のび太からは見えなくても、周囲の海洋生物からのび太の姿はしっかり見られているのです。
夜、横になって休んでいる間に襲われてしまうようなことがあれば、疲れた体を休めることなどできません。
また、海の中は時間帯によって海流が変わります。
寝ている間に流されてしまい、朝目覚めると全然知らない場所にいた!なんてことになったら大変です。
いくら快速シューズで地上の10倍の速度で歩けるようになっているとはいえ、1日海底を歩き続ければ疲労こんぱいは目に見えていますよね。
1ヶ月続く太平洋横断なので、ゆっくり体を休める睡眠時間は何よりも大切なものなのです。
海底ハイキングの達成を支える、地味だけど効果は絶大なひみつ道具は寝ぶくろなのです。
驚異的なアンカー(イカリ)
寝ぶくろに付いているアンカー(イカリ)は、寝ぶくろが海流に流されないための重り・引っ掛かりとして使われます。
現代の船でもアンカーは必須の装備で、船の上にぐるぐる巻きにして収納されています。
本来であれば船の全長の4倍〜5倍もの長さの鎖が必要で、しかもそれを2本装備しているのが普通の船です。
ところが寝ぶくろのアンカーはごく短いものが1本あるだけ。
さすが未来のひみつ道具です、海底に引っかかる把駐力(はちゅうりょく)が現代とは比べ物にならないほど向上しているのですね。
寝ぶくろの代わりに使えるかもしれないもの
後のコミックでは『デンデンハウス』というひみつ道具が登場します。
お尻にくっつけて使うので、寝ぶくろとは使い方が異なりますが、体全体を引っ込められるという点では共通しています。
寝ぶくろのデザインはナマコがベースになっていて、デンデンハウスはカタツムリのデザインとなっていることから、どちらも水を連想させる生き物がモチーフになっているのも共通していますね。
デンデンハウスの中は広い空間で、エアコンだけでなくベッドも備わっているうえに、爆弾を受けても耐えられる構造となっているので、デンデンハウスは寝ぶくろを進化させた道具と言えるでしょう。
寝る時にリラックスできるのか?
寝ぶくろは周囲にトゲトゲがたくさんありますよね。
これって寝ている時に体が痛くなったりしないのか心配です。
全体的にバランスよくトゲが配置され、体重が上手に分散されるよう設計されているのかもしれません。
もしくは、柔らかい砂が堆積する海底で使うことが前提のため、トゲは砂の中に沈み、寝づらい体制にはならないのかもしれませんね。
地上で寝ぶくろを使うと大変かもしれませんが、海底だからこそ効果を発揮することが考えられます。
実現化の優先度は低い
寝ぶくろはあくまでも海中(海底)での使用を前提としたひみつ道具です。
実際に活躍するためには、まず海の中で呼吸できるエラチューブや、水圧に耐えられる深海クリームなどの開発が先ですね。
それだけの技術があれば寝ぶくろもすぐに開発できそうな気もするため、実現するまで気長に待ちましょう。