あけっぴろげガス

なんでも大声でペラペラ話してしまうようになるガス、それがあけっぴろげガスです。このガスを吸引した人は秘密が秘密でなくなり、頭で思っていることや、これまで隠していたことを自分から大声で周りに話すようになってしまいます。ドラえもんの報復系ひみつ道具の中でも、相手を直接攻撃するのではなく自爆させるという点がユニークです。

ジャイアンとスネ夫を懲らしめろ

影でこそこそのびたの悪口を言うジャイアンとスネ夫。

ミミダケを使ってその事実が判明するのですが、ドラえもんは復讐としてあけっぴろげガスを用意します。ガスを吸ったジャイアンとスネ夫は隠し事ができなくなり、なんでも大声で話すようになってしまい、母ちゃんとママから追いかけられる結末を迎えたのでした。

あけっぴろげガス
2人はどれほどの隠し事をしているのだろうか?

出典:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄「ドラえもんプラス5巻「ないしょ話…」P29:小学館

オチのコマでジャイアンとスネ夫は母ちゃんとママから追いかけられていますが、2人のことなのでイタズラや隠し事がバレてしまい、叱られているであろうことが予想されます。普段から何かとやんちゃな2人がどれほどの秘密を抱えていたのか、読者の想像を膨らませる結末です。

このエピソードはミミダケミミダケの菌糸、シャベリップとあけっぴろげガスが連携して機能するドラえもんプラス5巻ないしょ話…の一場面です。情報収集から報復まで道具をつなげて使うという展開は、ドラえもんの知恵と道具活用力を示す好例と言えます。

秘密が秘密でなくなるガス

あけっぴろげガスを吸引すると頭で思っていることや、これまで秘密にしていたことを自分から大声で周りに話すようになってしまいます。

自分自身をもっと知ってくれ!とばかりにあけっぴろげなことをやってしまうのですね。隠し事がない人なら影響が少ないかもしれませんが、ジャイアンとスネ夫のように普段から悪いことをしている人には致命的な効果を発揮します。秘密の量が多い人ほど、このガスの影響は大きくなるわけです。

オチのコマでジャイアンとスネ夫は母ちゃんとママから追いかけられていますが、2人のことなのでイタズラや隠し事がバレてしまい、叱られているであろうことが予想されます。ガスの効果が続く間は何を聞かれても正直に答えてしまうわけですから、日頃から後ろめたいことが多い人には最悪の状況です。

あけっぴろげという言葉は、秘密を持たずにすべてをさらけ出すという意味の日本語表現です。道具の名前がそのまま効果を表しているのは、藤子F不二雄先生のネーミングセンスの真骨頂で、名前を聞いただけでどんな道具かが伝わる明快さがあります。

意思疎通系の道具ではタチの悪いほう

自らの秘密を話したり、思っていることが相手にすっかり通じてしまう系のひみつ道具はいくつか存在しますが、あけっぴろげガスはなかなかタチの悪い道具と言えます。

例えばウラオモテックスは心で思っている本当のことを話してしまう道具ですが、無心になればなんとかやり過ごせるでしょう。

テレパしいはこちらの考えが相手にすっかり伝わる道具で、これも無心になれば回避できそうです。

相手がさとりヘルメットを使っていると危険ですが、無心になれば対応できそうです。

そういう意味でもあけっぴろげガスは自ら秘密を大声で話してしまうという点を考えても、なかなか意地が悪い道具といえるのではないでしょうか。自分の意志とは関係なく発話してしまうため、思考をコントロールするだけでは防ぎようがありません。ガスを吸ってしまった時点で止めようのない状態になってしまうのです。

ないしょペンのように書いた内容を本人だけに見せるという道具とは正反対の性質を持ち、秘密を守るどころか積極的に暴露してしまうという点でドラえもんのひみつ道具の中でも特に意地悪な部類に入ります。使う側は相手の秘密を暴きたい時には便利ですが、自分自身がガスを吸ってしまうと大変なことになります。使う際はガスが自分に当たらないよう細心の注意が必要です。

心当たりのある人は要注意

あけっぴろげガスによって、隠し事がバレたり秘密を大声でしゃべり続けたりという事態になるのは、日頃から何かしら後ろめたいことや隠していることがある場合です。

普段から正直に生きていればあけっぴろげガスを使われてもさほど動じないはずです。ジャイアンとスネ夫がひどい目に遭ったのも、彼らが普段からのびたに対して陰口を言ったりイタズラを企てたりしていたからです。秘密が多いほどリスクが高い道具という点では、道徳的な教訓も含んでいます。

日頃から後ろ暗いことがなければ、むしろあけっぴろげガスを使われることが自分の誠実さを証明する機会になるかもしれません。ドラえもんのひみつ道具の中には、正直に生きることの大切さをコメディを通して伝えるものが多くありますが、この道具もそのひとつと言えます。

願い事を叶えたいなら道具に頼るよりも日々の行動で積み重ねることが大事、とねがい星のエピソードも語っています。正直さや誠実さというテーマはドラえもんの物語全体を貫く大切な価値観のひとつです。日頃のふるまいが積み重なって、いざという時の自分の状況を決めるということを、このガスはコメディとして見せながらも真剣に問いかけています。

ドラえもんのひみつ道具には、使われた側が自業自得で困る展開になる道具が多くあります。あけっぴろげガスもその典型で、普段から誠実に生きている人には効果が薄く、悪いことを隠している人ほど大変なことになります。報復に使ったドラえもんが賢かったのは、のびたへの陰謀という明確な証拠があった上で使ったからです。道具の使い方として、目的が明確で正当な根拠がある場合にこそ、こういった道具は本来の力を発揮するのでしょう。

報復の道具として使われるあけっぴろげガスですが、その使い道は仕返しだけではありません。例えば交渉の場で相手の本音を引き出したい時や、グループの中に嘘をついている人がいると思われる時の確認手段としても応用できます。もちろん相手の同意なしに使うことは倫理的に問題がありますが、ドラえもんの世界ではそういった問題も含めて物語の面白さのひとつになっています。

あけっぴろげガスが登場するドラえもんプラス5巻ないしょ話…は、ミミダケ・ミミダケの菌糸・シャベリップと4つの道具が連携して機能するエピソードです。情報収集から証拠確認、そして報復まで一連の流れが道具の連携によって実現するという、ドラえもんプラスならではの充実した内容になっています。こうした複数の道具が絡み合う話は、ひみつ道具の使い方の幅広さと、ドラえもんという作品の豊かさを改めて感じさせてくれます。

ドラえもんの物語でジャイアンとスネ夫が自業自得で痛い目を見るという展開は、読者にとって最もカタルシスを感じる場面のひとつです。のびたがやられっぱなしの回と、しっかり仕返しができる回が交互に描かれることで、物語全体のバランスが保たれています。あけっぴろげガスを使った報復はその典型で、のびたを傷つけた二人が自分たちの行いを大声で暴露するという展開は、因果応報という概念をわかりやすく体現しています。こういったスカッとする展開がドラえもんを長年にわたって愛される作品にしている要因のひとつと言えるでしょう。

あけっぴろげガスという名前のインパクトと、効果のわかりやすさは子どもにも大人にも直感的に伝わります。藤子F不二雄先生のひみつ道具は名前を聞いただけで何をする道具か想像できるものが多く、あけっぴろげガスもその典型です。秘密を全部しゃべってしまうガスという発想は単純明快ながらも、使い方次第で多様な物語展開を生み出せる懐の深さを持っています。ドラえもんプラスのエピソードの中でも記憶に残りやすい道具のひとつとして、このガスはファンに親しまれています。

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